エピローグ③

 少女は結局、再び山に来てしまった事を深く後悔した。


「なぜ私は、あの時両親に相談しようとしたのだろう」

「別の方法を取っていれば、両親だけは助かったのに……」

 

 確かに別の方法を取っていれば、あるいは……。

 いや、それでも結末は変わっていなかったのかも知れない。

 アカシアの記録には逆らえないのだから。

 少女は見えない誰かに、変わり果てた両親の前で虐待を受けながら、その短い生涯を嘆きながら閉じた。あの時の娘のように。


〈完〉

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