エピローグ②

 自分で買った包帯で吊るされながら、少女は悔やんでいた。


「どうして私はあの時、友人の誘いに乗らなかったのか」

「小説を読んで運命が分かっていたのに」


 運命を変えるチャンスは有った筈だ。

 いや、それでも結末は変わっていなかったのかも知れない。

 アカシアの記録には逆らえないのだから。

 少女は見えない誰かに、耐え難い虐待を受けながら、その短い生涯を嘆きながら閉じた。あの時の娘のように。


〈完〉

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