とある少女の九つの結末

押見五六三

エピローグ①

 その少女は悔やんでも悔やみきれなかった。


「なぜ私は山に入ってしまったんだろう」

「なぜ私は好奇心に負けてしまったのだろう」


 何処かで運命を変えていれば。

 ターニングポイントは有った筈なのだ。

 いや、たとえ変えていたとしても、結末は変わってなかったのかも知れない。

 アカシアの記録には逆らえないのだから。

 少女は見えない誰かに、数時間にも及ぶ虐待を受けながら、その短い生涯を嘆きながら閉じた。あの時の娘のように。


〈完〉

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