第6話
時は遡り王城更地時間の直後、私リリは彼方へ飛んでいくライの後ろ姿をただ眺めていた。
忘れている人向けの補足を入れておくと、リリとは王国最強騎士娘のことである。
当時のライは、更地になったインパクトとローズの容姿が強すぎたせいで、完全に彼女の存在を忘れていた。
しかしそんな事を知る由もないリリは、狂信者ぶりを発揮して通常では考えられない思考の飛び方をする。
「私がこの更地となった王国を治め、あなた様に献上しろという事ですね…!!」
確かに私には獣人のような身体能力はないし、封印石から出てきたヴァンパイアのような美しさもないただのガキである。
それでもあなた様は私を選んで下さり、城の人間ならば誰でもできる仕事を与えてくださった。
すなわち、私に慈悲として機会を与えてくださったんだわ…!!
そこから1ヶ月間、彼女は王城が更地になった事件を上手く使う事で国民を先導させ反乱組織を形成させつつあった。
もちろん王国は無断で勇者を召喚した件や王城更地事件でそれどころではないので、気付かれる事はなかった。
もちろん彼女はそんな現状も、全てはライの慈悲であると信じて疑わず、今日も今日とて無意味な宗教活動をするのであった。
2人が出会うのはまだ先の話である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます