第5話
どうも、ヴァンパイアをローズ以外滅ぼすことになった勇者です。
説明するために時を遡ろう。
①3週間くらいで魔界に入るための門に辿り着く
②残り1週間で魔界にあるヴァンパイアの城まで到達する
③勇者に操られたローズを救うために全勢力で襲われる←今ココ
「まぁそうなるよね…ローズ最初から全員殺す気だった?」
「私は信じていたんですが……申し訳ございません。すぐ処理致します。」
という、ローズを救いたいヴァンパイアと、救いたいヴァンパイアが邪魔なので殺したいローズの戦いはローズの虐殺だった。
元を辿れば狂信者にした俺のせいだけど、ローズが大丈夫って言ったせいだからね?でもそのローズは俺のせいでこうなったもんね?
倫理観守りながらこの世界生き抜くの難しすぎない??
てことでローズがひたすらヴァンパイアたちを処理していく。みんな泣きながら殺されていくし、憎しみの目でこっち見てくるし。俺はただ自由になりたかっただけなのに。。
最後に妹と思わしきヴァンパイアを捕縛するローズ、なんで連れてきたのかと思ったら、ヴァンパイアの王の資格を俺に渡すようにこれから拷問をするらしい。
「ゆ、勇者!封印で自我を殺して操り人形にするなんて……私の姉さんを返しなさい!!」
俺はすぐに誤解を解こうとするが、その前にローズが妹の口を切り裂いてしまった。その後に言い訳なんかできない。
それに罪悪感に苛まれるのも面倒になってきたので、後のことはローズに任せて城の中をメイディと散策していた。
なんとなく心の目で構造はわかっているが、やっぱり肉眼で見ると異文化の建物ってのが肌で感じられて楽しい。
そういえば魔界には深海生物みたいに変なやつらがたくさんいて、この1週間は新鮮で楽しかった。
この城で3人でスローライフも考えたが、せっかく自由になれたので魔界散策もしてみたいし、城を発展させて日本みたいな悠々自適な空間を作るのも楽しそう。
そして部下たちにゲームとか作らせれば日本以上に楽しめる場所になるかもしれない…?
まさかこのタイミングで目標が決まるとは思ってなかったが、そのためにも国民みたいなのが必要……でも候補たちがローズに殺しちゃったしなぁ。
もう遅い気もするが、王の資格を譲るために生かしてあるであろう妹だけは確実に残しておくよう、テレパシーでローズに指示をする。
じゃあ久しぶりに狂信化させるか…。
封印が解けたおかげか、実の姉からの拷問後だったからなのか、かなり反抗的だった妹も半日程度で狂信者化することができた。
もしかして精神の力を込めた言葉だと洗脳まがいな事ができてたとか…?
そして封印が解かれたから効果も高まって半日で反抗的なヴァンパイアを洗脳できた可能性あるな…?
やっと狂信者が生まれる真実に気づいたライであった。
ちなみに彼女は姉とは反対で可愛い系の見た目をしている絶世の美少女で、名前をセージという。ちなみに今は反抗的な態度を取った方を顔面くしゃくしゃにしながら詫びていた。
ていうか封印されながらも周囲の人間たちを洗脳できる勇者とか確かに世界の敵だわ。なに召喚してんだよ本当に。
そんな事を考えながらも、今は魔界の構造について学んでいる。
どうやらこの魔界には様々な種族が縄張りの中で過ごしているらしく、近くだと黒豹族がいるらしい。
黒豹族は獣人であり、地上にいた獣人たちよりも狩りの反応が強い種族らしい。そのせいでヴァンパイアとは争いが絶えることがなく、血の女王がいなくなってからはそこそこな頻度で縄張り争いをしているらしい。
それでも終戦しないのは、ヴァンパイアの高い回復能力と血を使った魔法の厄介さ、そして黒豹族の類稀な身体能力が原因らしい。
要するにヴァンパイアには決め手となる火力がなく、黒豹族は縄張りよりも狩りを楽しんでいるので長続きしているって事らしい。
「面倒だし生け取りにして信者にさせよう。もし無理そうだったら絶滅だね。」
という事で久しぶりにローズと一緒に俺も動くとしよう。ここに着くまでにローズや魔物と鍛えた成果、試してみるか!!
ちなみに青メイドのメイディは実力不足という事で、セージは罰という名目で城と死体の掃除を頑張っている。
そういえば忘れてたけど、最強騎士娘どうなってるんだろ?流石に心の目が届く距離ではないので、深くは考えないことにした。
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