第4話
世界って輝いてるー!!
ってこれはヴァンパイアが操った血が雨のように降り注いでいただけでした。
でもしっかりと俺の身体には当たらないように避けられてるのを見ると、見事な狂信者ぶりである。
ていうか、このままだと間違いなく世界から狙われることになる。
なんで召喚…というか転生させられてすぐ封印されて世界の敵認定されてるのマジで。
まず異世界で無双とかスローライフより地球にいたかったし、まぁでもこんな刺激的な日常も悪くないのか…?
「そういえば君たちの名前って何?」
さっきまで大虐殺に興奮してたヴァンパイアと、急に空を飛んだせいで少し気分が悪そうな青メイドは、それでもしっかりと跪きながら口を開く。
「メイディと申します!」
「ローズと申します!」
お互い負けじと大きな声で宣言する。まぁ王城が更地になったど真ん中で話してるし、周りに聞こえてる事はないだろう。
てか、礼儀的に俺も名乗るべきだろうか?
しかし日本の名前だと浮いてしまうのは間違いない。これからこの世界に溶け込む必要があるし、現実の名前から少し変えたやつにするか。
ちなみに日本時代の名前は林道未来だったので、まぁライとかでいいか。そう思い口にしようとする直前、ある考えに思い至る。
勇者だと知っているやつに、この世界の名前を言うのは微妙な気がする。まず、こいつらとこれからも一緒でいいんだろうか?
見た目はどっちも、というかヴァンパイアが綺麗すぎて側にいてくれるだけで嬉しいんだが、どっちも崇めるように動いてくれるのが自由とは程遠い。
まぁそう仕向けたのは俺だし、これから狙われるなら狂信者は多ければ多いほど良いか。
「俺のことはライって呼んでいいよ」
この言葉に感激したのか2人が涙を流している。我ながら恐ろしい方向に進ませちゃったな。
さて、今後の方針を決めていくか。
という事で3人で案を出していくと、ヴァンパイアのローズが昔暮らしていた城を使うのが1番円そうだ。ローズは300年前に封印された時に使っていた城は人間との戦争用だったらしく、今から向かう城とは違うようなので人間たちに襲われることは無いと言う。
「しかし魔界にあるので御足労頂くことになってしまいます…」
と申し訳なさそうにデメリットを言ってきたが、確かに異世界転生→封印→魔界は普通に嫌すぎる。絶対地獄みたいな風景が広がってるし、そんなん自由とは言えない。
しかし話を進めていても、この王国を乗っ取るとか、世界征服とか、良い案が見つからなかったので諦めてローズの城へ向かうことにする。
「おそらく私の妹が治めていると思うので、封印前の関係は良好だったので問題ないかと思います。もし反抗するようでしたら私が責任を持って殺して城主をライ様にするのでご安心ください。」
確かに安心だけど、狂信者すぎて安心できない。ヴァンパイアは基本、人間を食糧としか見てないようなので同情心はそんなに湧かないけど。
てことでいざ、魔界のヴァンパイア城へ!れっつごー!あ〜空気おいしぃ!!!
こうしてメイディ(青メイド)を抱える血の女王(ローズ)、そして俺(ライ)が魔界の入り口に向けて空へ飛び立つ。
それから1ヶ月が経過して俺は、ヴァンパイアをローズ以外滅ぼすことになりそうです。
勇者としては正しそう(小並感)
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