第2話
私は青猫族に生まれ、森の中で育ってきた。
しかし10歳の時、人間に捕獲され、奴隷の道に進むことになった。
私は人間から見て容姿端麗であったため、お金持ちの人間に買い取られ18歳の今では王城で働いている。
しかし、環境はさほど良くなく人間のメイドたちには暴言を言われ、位の高い人間と目が合ってしまうと暴力を振るわれることもあった。
そして、衣食住も地下労働している獣人とともに処理されていた。
そんなある日、通り掛かった貴族から暴力を振るわれた直後、脳内に突如「かわいそう」と言う声が聞こえた。
それから、その声には何度も助けてもらい、私はいつの間にかあの方のことを崇拝するようになった。
そんなある日、あの方から奴隷を解放し、王国に一矢むくいると言う案を聞いた。私は不敬ながらに意見を言うと、あの方は、優しく、その対抗策を探そうとしてくれた。
私も精一杯考え、自分が使えているかわいそうな人間の娘も一緒に救おうとその案を提示した。
それを聞いたあの方は、快く了承し王城に住んでいる全ての獣人を教徒にして下さった。
そしてあの方から奴隷の首を破壊することが可能とおっしゃり、私たちは作戦を実行に移すこととなった。
私たちの中で違を唱えるものはいなかった。なぜならその時にはもう、私にとっての目的が獣人の自由ではなくあの方に褒めてもらうためだったからである。
すべてはあのお方のために。
作戦開始まで、あと1分。
しかし私の意思に揺らぎはない。
この気持ちは獣人すべての意思ではなかった。多くの獣人は、解放を目的として行動をしていた。彼らにとってあのお方は英雄であって信仰する神ではなかった。
しかし、この作戦の要である青メイドと呼ばれているメイディと、最強の王国騎士の娘のリリは主人公によって、手厚くテレパシーを行わらていたためにこのような狂信者と評価されるような形になっていた。
実はこのテレパシーは心に直接語りかけるために、その言葉がそのまま心に浸透してしまう。
主人公は気がついていないが、このような狂信者が生まれた要因のひとつがそれであった。
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