第67話

 月日は流れ地球世界がレベルアップしてから今日で5年目に入る。2年目に入った時には上級異界に異界が成長可能になったりなどしていたが、3年目と4年目には何もなかった。


 だが、それとは違い毎年レベルアップした年にはボーナスが貰えた。もちろん最初に貰ったボーナスよりは貰えるボーナスの量が落ちるが、タダでゴーレムコアの保有数が増えるのはありがたかった。


 そして、それ以外でもゴーレムたちの活躍により地球にある異界で人類とゴーレム部隊が管理していない異界の数は少なくなっている。


 ここまで攻略した最初の異界の90%以上はゴーレム部隊の活躍により攻略済みの異界は多いが、まだ政府が残っている国の異界を攻略した際には報告などの義務があるのはゴーレムたちが手伝ってくれるが、俺もサインなどの書類に書き込まないといけないのは面倒な事だった。


 更に多くの異界が攻略されて平和になると、ゴーレム部隊が異界周辺の魔物を完全に魔物を1匹残らず討伐した地域を渡す様に要求してくる人たちも多くなって来る。


 そういう人たちが多くなると無償で引き渡すことはなかったが、上級素材で作られた防壁などの費用の3倍の上級素材を生成可能な魔物石やドロップアイテムとの交換で拠点を譲り渡すことになった。


 なぜこうなったらのか、それは多くの異界が攻略されて魔物の被害がある場所が少なくなり平和になって来たからなのと、軍隊や探索者が育って来たからだ。


 様々な国の軍隊や探索者たちも上級クラスの魔物の討伐をこなせる様になった。だが、それでも流石に上級異界のボス戦は出来ていないのは今後問題になるだろう。


 現に譲り渡した拠点の中にある異界は日本以外全て上級異界だからだ。その為、いずれは上級異界のボス魔物を討伐しないと再び魔物が異界の外に現れる様になるし、もし最上級異界まで成長する様になった場合、再び異界からそれも最上級クラスの魔物が異界の外に出て来る様になるはずだ。


 その時になったら泣き付いて来るのが目に見えている。未だに最上級クラスの装備を持たない人類には最上級クラスの魔物を犠牲なしに勝てないのだから。


 他にも力を得た探索者や軍人が騒ぎを起こしたり、守られているだけの人たちが騒ぎを起こしたりと様々な事も起こった。


 それ以外にも人類は魔物石をエネルギーとした様々な物が発展し始めている。魔物石を電気エネルギーに変えたり、魔物石や異界の素材を使用した電化製品などの生活するのに使う物など様々だ。


 これが大体俺が知っている限りの地球側で起きた事だ。次は次元空間の空間内で起こった事である。


 次元空間の空間内では更なる空間の拡張と様々な空間設定や空間設備により発展している。


 特に地球側でも製造され始めた魔物石や異界の素材に魔物からのドロップアイテムを使用した物や、地球がレベルアップする前の物などを解析して様々な物をゴーレムたちが独自に製造や開発を行なっていた。


 そうして発展した技術は今のところ地球側で製造された物よりも高品質で性能も高い物ばかり。その為、こうして製造した物も交易品として地球側と取引されている。


 それ以外にも薬品や兵器開発も行なわれているが、薬品は生産レシピにもない効果の物を開発に成功したりしている。


 だがしかし、兵器の方は似た様な物が武装の方にもあり、やはり武装で製造した物よりも効果が低い物が多いがこれは人類にも使用可能な為、余程危険な物以外は薬品や兵器も販売しているが、もちろん兵器に関してはゴーレムたちと協議して販売しても構わない国の軍隊にしか販売していない。


 そんな物を生産ゴーレム部隊が作っているが、他にも少数だが漫画やアニメに小説などを作っているゴーレムや、趣味を兼ねてなのだろうが楽器を製造から演奏まで行なうゴーレムなども居る。


 そうして様々な物を生産型ゴーレム部隊が製造している空間があるなか、他の空間では大型の空間を丸々1つ使って様々な動物が広々と暮らしているサファリパークの様な空間、同じく同型で大型の空間を使用した植物園や昆虫博物館に水族館などの空間もある。


 この空間内にある動物、植物、昆虫、魚類などは世界各地で活動しているゴーレムが確保したものがほとんどだ。


 何故、この様な空間を作ったのかといえばゴーレムたちからの要望で種の保存を行ないたいからと、ゴーレムたちの趣味だった。


 他にも趣味用の大型空間は多数あり、犬や猫などの動物と触れ合える空間、漫画や小説などの本が置かれている空間、映画やアニメにドラマなどが視聴可能な空間など本当に様々な空間がある。


 それ以外にも戦闘用の空間に武装やゴーレムボディを確かめる空間なども多く作られており、武装保管する空間は大規模な空間が複数あるほど様々な武装が仕舞われている。


 この様に次元空間の空間はどんどんと拡張と増量を行ない、空間内を移動する為の空間設備が各空間内には多数あり、それで空間内の移動もゴーレムたちは楽になっている様だ。


 俺の場合は次元空間の出入り口の登録をしている場所の出入り口を開いて移動する為、この設備の機能は使用した事はないが。


 最後にゴーレムマスターの方はどうかというとこちらもかなり充実している。保有操作可能なゴーレムの数も10000機を超えており、その全てがメインとサブ含めて最上級素材でボディと武装を製造している。


 メインはゴーレム側がそれぞれ決めているが、サブに関してはアンドロイド型、オートマタ型、バイオロイド型の3つの中から選ばれている。


 地球側で大勢のゴーレムを長距離移動させる為のゴーレムボディも製造しており、地上用移動要塞、空中用移動飛空艇艦隊、水中用移動戦艦船団に水中用潜水艦艦隊、宇宙用戦艦艦隊などだ。


 一応どの移動方法でもゴーレムたちを5000機は最低でも移動させることが出来るほどのゴーレムボディが製造されている。


 まあそれでも製造可能だったから製造したが、宇宙用の移動手段や宇宙での戦闘用の武装の数々にゴーレムボディを製造したのは、魔物が宇宙空間に現れることもないのに少しもったいない気はしてしまう。


 これが地球がレベルアップしてから5年目に突入する前までに起こった事や今の現状である。


 そして、正午になる頃にあの声が聞こえてきた。

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