第66話

 ユーラシア大陸、アフリカ大陸と2つの大陸に遠征を行なって拠点を作る事に成功した。


 2つの大陸にある拠点では、1日合計して最低でも5回は拠点を襲われるが、少しずつ拠点を管理しているゴーレム部隊が排除しながら隣接する他の異界周辺を制圧して拡大している。


 そうしてゴーレムボディや武装の修理に使用するよりも、大量のポイントや素材に魔物石を入手する事で、ようやく1周年のボーナスで貰った保有可能なゴーレム数分のゴーレムを製造した事で、今の俺が保有しているゴーレムコアや操作可能なゴーレムの数は2000を超える。


 しかも随時最上級素材を使用したゴーレムボディや武装への交換も行ない、今では最上級素材で製造されたゴーレムボディは1500機分があるが、予備も含めて最上級素材でゴーレムボディと武装を製造するとなると時間が掛かるだろう。


 そして次の遠征予定地は南アメリカ大陸を予定していた。けれど、順調にゴーレムが増えた事もあり、今回の遠征は北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の2つの大陸で、周囲100キロメートル内に人が一切居なく、多くの異界がある地域に向かわせる。


 今回の遠征に向かうゴーレム部隊の内訳はこれだ。ゴーレム部隊を運び上空からの攻撃を担当する小型飛空艇ゴーレムをそれぞれの大陸に3機ずつ向かわせ、小型飛空艇ゴーレム1機に200機ずつゴーレムが乗船している。


 この200機の内、飛行型ゴーレムは30機、遠距離攻撃型ゴーレムは100機、近接攻撃型ゴーレムは70機だ。


 そうして向かわせる為、最寄りの次元空間の出入り口からゴーレム部隊を、それぞれ遠征予定地に向かわせた。


 まだ向かわせた2つのゴーレム部隊が通っている空路には飛行系の魔物の異界がない場所なので、その間に俺は朝の仕事を終わらせていく。


 「これで終わりだぁー。んーー、はぁ……よし、遠征の方はどうかな。」


 複数の俯瞰視点の画面を表示させて見ていた為、疲れた目を癒すために下級の回復ポーションを飲んでから身体を伸ばした。


 身体を伸ばし終えると、俺は遠征を行なっている2つのゴーレム部隊を確認する。


 すると、南アメリカ大陸の遠征予定地に向かう途中で飛行系の魔物の群れに襲撃を受けていた。


 「これは蜻蛉だな。上級クラスの魔物も見た感じ結構居るな。これ、もしかして最上級クラスの魔物も遠征予定地に居る可能性があるぞ。」


 流石に最上級クラスの魔物が複数いた場合だと、勝つことは可能だろうが、その分だけゴーレム部隊の中から多数のゴーレムが破壊されるだろう。


 今のところ上級クラスの魔物だけだから小型飛空艇ゴーレムや遠距離攻撃型ゴーレム部隊からの攻撃によって排除している。


 飛行型ゴーレム部隊が上級クラスの魔物の魔物石だけ飛び回り回収しており、これで少しは最上級クラスの魔物が現れる可能性は少なくなると思う。


 そして、蜻蛉の魔物が現れる異界の周りにある蜻蛉の魔物の棲家から離れた結果、この蜻蛉の魔物による襲撃もなくなる。


 この蜻蛉の魔物の襲撃で、幾つかの飛行型ゴーレム部隊のゴーレムがダメージを受けたが、小型飛空艇ゴーレムは1機もダメージを受けることはなかった。


 蜻蛉の魔物の襲撃が終わった南アメリカ大陸を移動していた遠征部隊だったが、今度は北アメリカ大陸の遠征予定地に向かってゴーレム部隊が飛行系の魔物の群れから襲撃を受ける事になる。


 今回の襲撃ではペリカンの魔物が小型飛空艇ゴーレムたちを襲うが、こちらはペリカンの魔物の現れる異界からそれなりの距離があるお陰で、ペリカンの魔物の群れの襲撃時間は20分だけで済んだ。


 そうして遠征開始から3時間で遠征部隊のゴーレムたちは予定していた異界にたどり着いた。


 今回は前回の様にならない様にをする為に倒した魔物石を回収する為、上空から魔物の数をある程度減らすと、着陸可能な場所に小型飛空艇ゴーレムが着陸して魔物を倒していく。


 3機の小型飛空艇ゴーレムが異界を中心にして囲む様にして魔物を倒すと、ドロップアイテムや魔物石を回収後、次の隣接する異界に向かう。


 制圧する予定の隣接する異界は2つ共1時間から2時間ほどの距離にある為、今日1日で3つの異界を北アメリカ大陸も南アメリカ大陸も制圧が終わった。


 異界周辺の制圧をした遠征部隊の内、小型飛空艇ゴーレムに乗せていたゴーレムの3分の1を拠点予定の異界の回りの警備に回し、それ以外のゴーレムたちは生産担当のゴーレム部隊と協力して拠点作りを行なってもらう。


 今回は前回の2倍の拠点を建設しないといけないが、前回の同時建設の反省を活かして事前に簡略化した建設用の資材を作り上げだ事で1週間で6つの拠点を建設する事が出来た。


 北アメリカ大陸と南アメリカ大陸にもゴーレムたちが活動する拠点が作られてから一ヶ月後、オーストラリア大陸と南極大陸に遠征を行なった。


 オーストラリア大陸への遠征では小型飛空艇ゴーレムを2機送り、南極大陸には4機の小型飛空艇ゴーレムを送った。


 環境による魔物の進化には違いがある事がよく分かる魔物と南極大陸に向かったゴーレム部隊は遭遇する。


 極寒の環境に耐えられる様に進化した魔物の群れと遭遇するゴーレム部隊は、魔物の群れが繰り出してくる氷属性攻撃に苦戦する事になる。


 氷属性に対して耐性のある武装や氷属性の魔物の弱点になる武装を用意すれば戦いやすくなるはずだ。


 だが、そんな用意はしていない為、苦戦しているゴーレム部隊の様子を見ながら、今後の南極大陸の異界を管理する為に製造していく。


 まさかここまで極端に一属性に特化した魔物ばかりが現れるとは思わなかったが、専用の武装の準備が終われば、すぐにゴーレムボディが傷付いたゴーレムから武装とゴーレムボディの交換を行なった。


 そうしてオーストラリア大陸と南極大陸にも拠点を築けば、これで大きな大陸にゴーレムたちの活動拠点が作られた。


 あとは少しずつ拠点と拠点を防壁で繋いで行き、繋いだ防壁内の魔物を倒していく事で魔物の居ない地域を拡大させる事が出来る。


 だがこれはかなりの長期間の活動になり、1年や2年では完成もしない。その上に大量の素材が使われる事から最低でも最上級ゴーレムボディと武装を10000機分用意してからになるだろう。


 その為に多くの上級異界を攻略する必要があり、海外の管理する異界を今後は増やしていく予定だ。

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