第53話

 昨日はいきなりの異界の変化やボーナスを貰えたりなどのイベントが多数あったが、今日は管理している異界の確認から行なっていく。


 「昨日の上級異界の黒い柱もまだ発見されてないのに、新しく追加かぁ。」


 登録している異界の中で成長させる為にボスの魔物討伐を行なっていない次元空間の出入り口のみを確認すると、今度は3つの異界が上級異界へと成長していた。


 「これは海外に向かわせている幾つかのゴーレムたちを戻す必要があるな。」


 いま海外に派遣しているゴーレムたちの中にはあまりにも広範囲で魔物が攻めて来るせいで、本来送るよりも多くのゴーレムたちを向かわせている国も幾つかあり、そのうちのゴーレム部隊を戻すことに決める。


 そうすれば今後も増えるだろう上級異界の黒い柱の探索も可能になるだろうし、上級の魔物の間引きも充分に行なえるはずだ。


 「とりあえず新しく成長した異界に向かわせる部隊はこれで良いな。日本で活動させているゴーレムたちの幾つかも動員させれば、これで充分に活動可能だろうな。」


 今日のゴーレムたちの活動方針を決め終わると、俺は上級異界に向かわせるゴーレムたちを昨日ボーナスで追加された何もない広い空間に集め始めた。


 俺自身もゴーレムたちが順次集まって行く空間へと次元空間の出入り口を繋げて向かう。


 そして上級異界の攻略を行なう為に集まったゴーレムたちへ、今後の方針を伝えていく。


 「ここに集まった全てのゴーレムたちには、俺たちが管理している異界の内、上級異界に成長した異界を攻略してもらう予定だ。一応の予定では成長させている全ての異界が上級異界になるだろうから、当分の間はここに居るゴーレムには異界攻略以外の仕事は任せる気はないから頑張ってくれ、以上だ。」


 集まったゴーレムたちに今後の予定を伝えて行くと、それぞれ部隊ごとに分かれてもらって武装を装着したゴーレム部隊から順に上級異界へと向かって貰った。


 そうして集まった全てのゴーレムたちが部隊を組んで上級異界へと向かうのを見送ると、俺は次に小型飛空艇ゴーレムを動かすゴーレムと中型アンドロイドゴーレムを呼び寄せる。


 「集まったな。それじゃあ今日はどうするかを聞かせてくれ。」


 昨日の報告では小型飛空艇ゴーレムは充分に飛行することは可能で、大砲型武装での攻撃の命中率も最初の頃に比べて命中する様になったと報告されている。


 中型アンドロイド型ゴーレムたちも新しいゴーレムボディでの活動も充分だそうだが、もう少し確かめたいと方向を受けた。


 そして今日はどう行動するのかを聞く為に集まってもらうと、まずは01ゴーレムが中型アンドロイドゴーレムを代表して話し出す。


 「私たちアンドロイド型のゴーレムはまだ身体を動かす習熟を行ないたいです。このボディのポテンシャルを完全に引き出せていませんから。」


 「分かった。なら昨日に引き続き異界で身体を動かしてくれ。あっ、アンドロイド型のボディは10機あるからな。お前たちが良いのなら上級異界で習熟訓練をしないか?」


 今は少しでも上級異界の探索を行ないたいので、中型アンドロイドゴーレムたちにも上級異界の探索をしてもらおうと思い、アンドロイドゴーレムの代表している01ゴーレムに提案する。


 「上級異界ですか?分かりました。ボディのレベルには不安がありますが、上級の魔物でも戦えるとは思えますので。」


 「それじゃあお前たちには上級異界に行って貰おう。すぐに準備してくれ。」


 「分かりました。それでは行きますよ、みなさん!!」


 「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」


 中型アンドロイドゴーレムたちがこの空間から武装を取りに向かうのを見送ると、俺はホワイトボードを持っている小型飛空艇ゴーレムがメインボディのゴーレムに話し掛ける。


 「お前はどうだ?今日は地上の魔物か空中の魔物のどっちの相手をする?」


 小型飛空艇ゴーレムの武装は空中を移動する魔物用の武装と、地上で活動する魔物を攻撃する武装の2種類あり、昨日は地上の魔物を狙って命中率を上げる習熟訓練を行なっていたが、今日はどうするのかを俺は聞いた。


 すると、ゴーレムはホワイトボードに何かを書き始めて行き、ホワイトボードに文字を書き終わると、それを俺に見せて来た。


 「なるほど、今日は昨日とは違うことがしたいんだな。それなら空中を飛んでいる鷹の魔物の異界にするか。それじゃあ戻すぞ。」


 ゴーレムからホワイトボードを受け取ると、俺はゴーレムマスターを操作して目の前のゴーレムを戻してから、小型飛空艇ゴーレムボディへと換装する。


 そして換装を終えた小型飛空艇ゴーレムを呼び出すと、目的の異界に繋がる次元空間の出入り口を開いて、開いた出入り口へと飛行して向かう小型飛空艇ゴーレムを見送った。


 それから数分後、中型アンドロイドゴーレムたちが武装を身に着けて戻って来ると、俺は厄介そうな上級異界と視界の開けた草原のフィールドの上級異界のどちらの異界に向かうのかを聞いた。


 「少し話し合っても構わないでしょうか?」


 「構わない。話し合って決めてくれ。」


 「ありがとうございます。」


 中型アンドロイドゴーレムたちが集まってどちらの上級異界に向かうのかを話し合い、そして相談して決めたのは上級の魔物が現れる異界に、完璧に動かせない新しいボディでは不安だからと草原のフィールドの上級異界に向かうことに決めたそうだ。


 「分かった。それならこの異界だな。頑張ってくれ。」


 「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」


 そして開いた次元空間の出入り口に向かって中型アンドロイドゴーレムたちが向かうのを見送ると、俺は生活空間へと出入り口を開いて戻った。


 ソファに寄り掛かった俺は、上級異界へと向かわせたゴーレム以外の他のゴーレムたちの様子を確認していく。


 そうして確認して行った結果、空間内で活動するゴーレムたちはいつも通りに行動している。


 空間の外で活動しているゴーレムたちの様子を見て確認すると、日本国だけじゃなく海外でも未だに防衛しかしておらず、昨日からあまり変わっていない様だった。


 だが、問題が日本国内だけじゃなく、海外でも起こっていた。それは異界から上級の魔物と思われる魔物が地球上にやって来たからだ。

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