第44話

 地球世界がレベルアップしてからあと少しで一年経つ頃、ようやく日本国内にある全ての異界の攻略が終わり保有しているゴーレムの数も1000機を超えて、ゴーレムたちで管理する事が出来る様になった。


 その内、保有している1000機のゴーレムの半分以上が、日本国内にある人の手の入らない異界での魔物狩りや特別緊急地域に指定されている異界の魔物狩りに次元空間内での生産活動を行なっている。


 そして全てのゴーレムのゴーレムボディや武装も上級素材で製造しており、更にコアのレベルも上げて全てのコアが操作能力レベル6、最大出力レベル6、学習効率レベル6まだ上がっている。


 もちろんゴーレムボディの方もレベルを上げており、能力(力)レベル5、能力(耐久)レベル5、能力(速さ)レベル5、能力(器用)レベル5と上げている。


 そのお陰もあって、中級異界ではボスの魔物以外の魔物が群れで現れても、ゴーレムたちは例え1機でも余裕を持って倒せているのが現状だ。


 そうして日本の大半の異界をゴーレムたちが管理している現状だが、日本がどうしているのかと言うと、市民が生活している区域にある異界は自衛隊と探索者が間引きとボスの魔物の討伐を行なっており、他にも侵食した異界の周りで繁殖を行なっている魔物の駆除が主な仕事の様だ。


 日本政府としては今もゴーレムが管理を行なっている異界や日本各地にあるゴーレムが拠点化させた特別緊急地域の管理を日本政府が出来ないからとゴーレムに任せておきたいと言う事だが、一部の政治家などが利権がどうのとゴーレムが管理している異界や特別緊急地域をどうにかしたいと、ゴーレムが親しくなった自衛隊員の人が言っていた。


 もちろんそんな事を言っているのは一部だけで、まともな政治家や自衛隊としてはゴーレムたちに敵わない上に装備アイテムやポーションが手に入らなくなるからと反対意見を出しているそうだ。


 そしてこの一部の政治家たちの言動が世間にバレた時が、まとも政府の人たちにとってはもっとも大変だった様で、ゴーレムたちが売っていた安い値段で購入する事が出来る野菜や果物などが購入出来なくなると、主に主婦たちが暴動を起こしかけたほどだ。


 他にも日本では問題は発生している。それはゴーレムたちの活躍により日本が他の国よりも安全になり、多くの外国人が避難するためにやって来ているせいである。


 自分たちの国の常識を押し付けて来たりなどの行動だけじゃなく、一部の地域をまるで自分たちの国の様に占拠していたりもしていた。


 そしてこの外国人たちは商売をしているゴーレムたちから商品を奪おうとしたり、ゴーレム自体の破壊を目論んだりしていた。


 もちろん普通に購入しようとする外国人もいたが、最初に取った行動が強奪だった為、すぐに外国人には装備アイテムやポーションなどの魔物討伐に必要な物の販売するのを止めさせた。


 自分たちの国に送りたいからと頼む者も居たが、本当にそうなのかも怪しく感じるのは最初の横暴な振る舞いが原因だろうと、俺もゴーレムたちの行動に反対せずに眺めるだけだったが、これに日本政府側から外国人にも商品を売る様に頼まれる事になる。


 世界各地で異界が出来ている状態だが、そのせいで輸入している物が高騰化しており、今現在輸入している物を輸入するのに条件としてゴーレムの貸し出しとゴーレムが売っている物を外国は要求しているそうだ。


 それを聞いてなんで俺がそこまでしないといけないのだと思ってしまい、俺だけなら普通に断っていただろう。


 だが、ゴーレムたちの中から俺に意見をしてくる者たちが現れる。そのゴーレムたちが言うには、これからの世界全体の事を考えるのなら、ここで世界中の国々に恩を売っておき、いずれ起こる事になる他の世界との戦いに備えて、今の内にこの世界で戦える者の強さの標準の引き上げもしたいとの事だった。


 それを聞いて俺は考えた結果、仕方なく世界各国へとゴーレムを派遣する事と、その派遣した国々でゴーレムたちが装備アイテムやポーションなどを売る事の2つを日本政府に了承した事を伝える。


 だがそれと共に、その国で活動する際にその国の法律を無視しても捕まえたりしない、ゴーレムたちが襲われたり商品を購入する際に強奪したりする者にはゴーレム側からの攻撃許可を得る事などの条件に出して、その条件を満たした国にのみゴーレムを派遣すると伝えた。


 そうして幾つかの国は俺とゴーレムたちで考えた条件を了承した結果、100機のゴーレムたちが条件を了承した国に派遣される事になった。


 派遣される国の言葉や文字を俺は読み書き出来ないからと、ゴーレムたちに外国語を覚えさせる必要があったりと、外国に派遣させる為に様々な事を行なわなければならなくなりだった。


 日本国内や日本国内の異界で活動していたゴーレムの内の100機も居なくなる事から、本当に調整をするのには苦労した。


 そして派遣されたゴーレムたちだったが、最初の頃はその国の軍隊が装備アイテムやポーションを購入している為、それほど大きな問題はなかった。


 もちろん横暴な人間はどこにでもいる者で、ゴーレムたちから商品を奪おうとする者が現れる事もあり、ゴーレムたちからの反撃を受けて大怪我して逃げ帰るの者もいた。


 そう言う人間は地位が高い立場の人間や素行の悪い人間が多かった為、大きな声を立ててゴーレム側が悪い事にしようとして来た国もある。


 その国で活動していたゴーレムたちを捕縛しようと襲ってくるが、もちろんゴーレムたちは反撃を行なって数多くの襲ってくる者たちをゴーレムたちは叩き潰した。


 自分たちの国の戦力だけでその国中の異界を制圧する事も出来ないくせに、なぜ上級素材で製造されたゴーレムたちに勝てると思っているのかそれだけ疑問だった。


 反撃を行なったが殺しまではしておらず、中級回復ポーションを使用しないと治らないぐらいの怪我を負わせて行き、最終的には日本政府の介入もあって、その国から撤退する事なった。


 その様な国は日本近隣にある国だけだけで、他の国でも騒ぎ事態はあったが、その国の政府側がゴーレムと問題を起こした者たちを処罰したお陰でゴーレムの撤退はまだ数カ国しかない。

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