第11話

 「謎の液体の瓶。謎の羊皮紙。金属の短剣。か、どんな物なのか分からないけど、普通じゃない物なのは分かる物だな。それは全部回収してくれ。」


 周りに魔物は居ない。それなら、それを持って次元空間に帰って来させよう。何かあったら大変だからな。


 スーパーに登録していた出入り口の登録をこの場所にする。そして、01ゴーレムの登録した出入り口を開き、01ゴーレムと02ゴーレムを次元空間に帰還させる。


 帰還させると、01ゴーレムと02ゴーレムに休む様に言って今回の戦利品を受け取った。


 01ゴーレムと02ゴーレムはやる事がないからか、動画を見たいと要求して来た為、自宅の出入り口を開くと、動画を見に向かう01ゴーレムと02ゴーレムを見送った。


 「うーん?それにしても、これは一体何だろうな?」


 チャプン、チャプンと揺らしながら、これは何だろうかと首を傾けて悩ませ、瓶を羊皮紙の上に乗せた時にこれが何なのか分かった。


 「文字が浮き出て来た?これって…………下級回復ポーション?」


 羊皮紙に瓶の中身の液体の正体が書き出されていた。


 「もしかして下級回復ポーションの瓶を羊皮紙に置いたから分かったのか?他にも試してみるか。」


 羊皮紙の一枚を手に取り、金属製の短剣を羊皮紙の上に乗せると、また羊皮紙に文字が浮き出た。


 「これは銅の短剣か。これ、銅製だったんだな。素材登録も出来そうだ。あとはこの羊皮紙だな。」


 使用済みの羊皮紙を使用していない羊皮紙の上に置いていると、羊皮紙に文字が浮かび上がる。


 「これは鑑定用紙って言うのか。」


 使用済みの三枚の鑑定用紙を確認していく。


鑑定用紙

鑑定用紙の表面を鑑定対象に貼り付けると、アイテムの鑑定が行なえる


下級回復ポーション

軽い怪我や軽い病気を治せる 薄い緑色


銅の短剣

銅製の短剣 


 「下級回復ポーションは生き物だけな気がするな。これは近くに置いておこう。じゃあ、さっそく銅の短剣を素材登録するか。」


 銅の短剣を手に取ると、素材登録を行なった。キチンと素材登録が出来たからか、手に持っていた銅の短剣は消えて行った。


 「これで銅を素材にゴーレムボディや武装の製造が出来るぞ!これを使えば01も02ももっと強くなるはずだ!」


 今日の探索で手に入れた戦利品の魔物石を全て下級金属へと素材生成で生成すると、二機分のゴーレムボディと棒型武装を予備も含めて作れるのかを確認した。


 「これだとゴーレムボディは作れても1つだけだな。でも、棒型武装は予備も含めて4つは作れそうだ。」


 棒型武装を下級金属で作るのは確定だ。これは魔物石で素材生成した分で作れる。


 でも、今あるゴーレムマスターのポイントを使ってもゴーレムボディを作る分の下級金属を素材生成も使ってようやく1つだ。


 そして、下級金属でゴーレムボディが作れても、いまのコアで動かす事が可能なのかも問題だ。


 もし、最大出力のレベルを上げる必要があったら、折角下級金属でゴーレムボディを作っても動かせない。


 そうして考えた結果、俺は下級金属でゴーレムボディを作るのを止めて、01コアと02コアのレベルを上げる事にした。


 これで01コアと02コアの操作能力レベル3に最大出力レベル2にレベルを上昇させて、今日の集めたゴーレムマスターの分のポイントは使い果たした。


 チラリと動画を見ているだろう二機が映る画面を見るが、レベルアップしているのに気付いているのかは分からない。


 「まあ、でも気付いてはいるんだろうな。次は次元空間のポイントを使うか。」


 新しく空間を作って空間2を作り、縦に3メートル、横に20メートル奥行きに30メートルの空間をポイントの4分の3を使って生成する。


 「残りのポイントは取って置くか。明日はちかくにあるホームセンターの探索をしないとな。結構、物資があるだろうし。取られてなかったらだけど。」


 明日の予定を考えた俺は少し早い時間帯だけど夕食を食べる事にした。


 それから次元空間内に設置した浴室で肩までお風呂に浸かって温まり、この日は早めの時間帯で眠りに付いた。


 翌日、この日も夜でも活動して01ゴーレムも02ゴーレムのお陰でゴーレムマスターにポイントが入っていた。


 「活動しているのが二機だから二倍のポイントが手に入るのか。それなら下級金属でゴーレムボディを作れる様になったら、コアの数を増やそうかな。」


 次元空間の方もポイントが増えていたが、これも使わずに取って置く事にした、


 「今日はこのホームセンターまで行って貰う。これが地図だから覚えておいてくれ。道を間違ったら、俺がその都度教えるから自分たちだけで向かうんだ。」


 01ゴーレムと02ゴーレムが頷いたのを確認すると、俺は手に持っていたスマホの地図を見せた。


 そして、二機共がホームセンターの位置を確認すると、自宅からホームセンターへと向かわせた。


 ホームセンター側にいると思われる魔物は蜂の魔物とオークと思わしき魔物の2種類が多く居る可能性が高い。


 どちらも戦わせた事がない為、若干不安だが、それでも01ゴーレムと02ゴーレムならやってくれるだろう。


 道中に血痕や肉片に骨が転がっているのが俯瞰視点に映っているが、人の姿は見えず、それとは反対に魔物と01ゴーレムと02ゴーレムは遭遇した。


 「これがオーク。豚じゃなくて猪の顔だな身体に生えている毛も毛深いし。」


 一体で行動していたオークと遭遇した01ゴーレムと02ゴーレムとの戦いが始まった。


 下級金属で作った棒型武装は思っていたよりも威力が高かった。


 「耐久力が高くなるだけでも良かったけど、重さが増して威力が上がったみたいだな。まさか頭に当てて一撃で倒すとは思わなかった。」


 オークとの戦闘は突撃して来たオークの頭を01ゴーレムが棒型武装を振るって殴り、それだけでオークは昏倒してそのまま動かず砂の山に変わったのだ。


 オークからのドロップアイテムはなく魔物石が手に入るだけだったが、それでもオークを倒せる事を知れたのは良いことだ。これで倒せなかったら、隠れながら進むしかなかった。


 そうして一体か二体で現れるオークを01ゴーレムと02ゴーレムは無傷で倒して行き、ホームセンターを目指して進んで行く。


 そして、進んでいるとオークと蜂の魔物が戦っている場面に遭遇する事になった。

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