詩・破損

桐原まどか

詩・破損



―あぁ、こりゃ、ひどい


―ここも、ここも、ここも、あそこもだ、壊れてる


―我々に出来るのは応急処置であって、完全な治癒は、もう、本人次第なんですよね...


―はい、薬つけて、包帯巻いときましたからね


―あぁ、傷口に触らないでください、

触りたくなる気持ちはわかりますが...治りが悪くなります


―この〈心〉ってやつはね、完全に壊れて、初めて周囲に認知されるから厄介なんですよね


―これ以上、傷が増えませんように

お大事に

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詩・破損 桐原まどか @madoka-k10

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