殺人鬼のモノローグ②

殺人鬼のモノローグ② 1

 自分が思っていたよりも事がうまく運んでいる。恐ろしいほどにうまくいっている。


 これで、自分の計画はさらに盤石なものになった。どうやら、その計画を暴こうと動き出した者がいるようだが、老いた狐は罠では捕まえらない――というではないか。そうそう簡単に暴かれるわけにはいかないし、こちらだって知恵を絞っている。


 いざとなったら……これは本望ではないのだが、この島にいる人間を全て葬るというのもひとつの手だ。そうすれば、真相を知っている者はいなくなり、真相は永遠に闇の中だ。


 この嵐が止むまでに全てが終わるのだろうか。この胸に漂う復讐心は――おさまるのであろうか。今はただ、淡々とやるべきことを。


 目的のためならば、魔物にでもなろう。

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