第24話 日曜の夜のアニメ

 泰造は昨日の牛タンローストビーフをつまみに飲みすぎたらしく、次の日の日曜日の昼過ぎまで寝ていて、夕方になってもまだ二日酔いは抜けてないようだった。


泰造はオロナミンCに生卵を入れて飲んでいたが、二日酔いに効果があるのかはわからない。


 そして私がリビングのテレビでちびまるこちゃんを見てると、


 泰造がまだ頭が痛むと言いながら入ってきた。


「ああ、ちびまるこのおじいちゃんの、とも蔵になんだかライバル心が湧くんだよな」


「泰造だから?」


「まあそれはいいとして、フジテレビの日曜の夜6時からは傑作アニメが多数輩出されたんだ。


まずは6時からやってた主なアニメは、年代順に、『ハクション大魔王』『いなかっぺ大将』『科学忍者隊ガッチャマン』『ポールのミラクル大作戦』『一発貫太くん』『ダッシュ勝平』なんかがあったな。


昔はテレビが一台しかないという家が多かったので、流れとしては親が笑点を見た後に、チャンネル権を子供に渡すって感じだったな」


「ガッチャマンは実写で映画になったね」


「おお、そうだ。映像がすごく綺麗でびっくりした!」


「たしかに」


「で、6時半からは俺が物心ついた頃からサザエさんをやっていたけど、


調べるとサザエさんが昭和44年に始まるまで、その枠で『リボンの騎士』や初期の『ゲゲゲの鬼太郎』をやってたみたいだな。


で、サザエさんが『んがんぐ』とお菓子を喉に詰まらせて終わると、7時からもアニメだ!」


「アニメ尽くしだね」


「日曜日だし、テレビ局も子供にサービスしないとな。


 それで7時台はスポ根の『アタックNo.1』や、

『マジンガーZ』『グレートマジンガー』『UFOロボ グレンダイザー』などのロボット物をやっていたのだが、


ある時、突然『おじゃまんが山田くん』が始まるのだ!」


「おじゃまんが山田くん?」


「いしいひさいちのマンガをアニメ化したもので、当時は映画の『がんばれ!タブチくん』が大ヒットして、ちょっとしたいしいひさいちブームだった。

今は朝日新聞に、ののちゃんを描いてるな。


「ののちゃんは知ってる」


「おじゃまんが山田くんは、俺も詳しい内容は覚えてないが汚いアパートに貧乏な大学生3人が一部屋をシェアして住んでたな。それとCMに入る前に『お~じゃま、じゃまじゃま~おじゃまんが!』ってゴキブリが歌うジングルが、


30年以上経った今でも耳に残ってるから不思議だ」


「おじゃまんが、恐るべし」


「他には伊藤さやかが『恋のB級アクション』ってエンディングテーマを歌ってた『さすがの猿飛』も良かったな。

最近、久々に当時のアニメ付きでその曲を聴いたけど、ちょっと感慨深かったな。


ちなみにオープニングテーマは『恋の呪文はスキトキメキトキス』だった」


「すごいタイトルだ」


「あとはもう誰でも知ってる『タッチ』や『キテレツ大百科』などがあり、


たしか『こち亀』を最後にこのアニメ枠はなくなってしまったんじゃないかな。


7時半からは世界名作劇場で、フランダースの犬やあらいぐまラスカルとかやってたが、


俺は健全なものが好きじゃなかったから、全然見てなかったな」


「昔から不健全なんだ」


「悪かったな。でも、当時から日曜日の夜はなんだか物悲しい感じがしたな。やっぱり次の日学校かぁと思うとなんか憂鬱になるんだよな。別にいじめられてたりするわけじゃないあんだけどな。


サザエさんブルーだな」


「サザエさんブルーって言葉ももう古いけど」


「さてと、今日こそはサザエさんにジャンケンで勝つぞ!」


「二日酔いは治ったんかい!」

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