玉癸はその当時のことを簡潔に師匠に教えた。


 大きな力を持っている人がいて、興味が湧いてそうと二人で見に行ったんです。そこには高校生ぐらいの女性がいて、真夜中なのにも関わらず、困ったようにウロウロしていました。ほって置くわけにもいかず、試しに声をかけてみたんです。そしたらその女性の名前は華子かこというということを教えてもらって。華子さんはどうやら総にあったことがあるみたいで、彼女が宿がなくて困っていたというのもあり、一緒に僕の家に行こうという話になったんです。そして、一緒に歩いて僕の家に行きました。そこで話したことはあまり覚えていませんが、彼女が西の方から来たらしいということはわかりました。そして、目が覚めたらもう此処で――。彼女に襲われたというのが一番可能性が高いということは分かっているんですが、彼女に力を上手く操られている感じはなくて。だとすると俺等に気づかれずにこんなことができるはずはない。何か彼女が異能を持っていたら話は別だけど…。普通は持っていないだろうから―――。でも油断してた俺の落ち度だ。首領ボスには俺のせいだって言っておいて。総のせいじゃない。彼女がやったのかもしれないがだとしても相手はとても強い。当分は此のことでいっぱいになりそうだな。師匠はどう思う?

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