五
「お姉さん、そこで何をしているの?」
彼女は
「えっ。あ、私?」
「うん、お姉さん。こんな真夜中にこんな暗いとこで何をしてるの?良ければ、俺んち来る?」
傍から見ればナンパしているようにしか見えないな、と思いながら玉葵は誘った。こんな機会を逃すわけにはいかない。
「えっ。あっ。ありがとうございます。よろしければ。私、寝る場所がなくて困っていたんです。......あっ、もしかして。あなた、私と前どっかであったことあります?」
彼女は玉癸の隣にいる彼に気づき、声をかけた。彼は頷いただけであったが、彼女には分かったようだ。
「?彼と知り合いだった?」
玉癸は今知った、という顔をして訪ねた。
「
これには呆れたように言った。
「なるほど...恵んでもらったわけね。」
最後の方は声が小さく、彼女には聞こえなかったみたいだった。
「まあ、いいや。こんなこんな寒いとこで話すのも嫌だし、一回俺んちに行こう。それでいい?えっと―――。」
「私は華子って言います。」
「じゃあ、華子さん。それでいい?」
華子が頷いたのを見て、玉癸は歩き出した。彼らは一緒に玉葵の家に向かった。その途中、玉癸は彼女といくつか言葉を交わした。
............玉葵の記憶はそこで途切れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます