「んー。気を探せばいけると思うけど。ちょっと待ってろ。」

 彼は暫く目をつぶっていた。



「あっ。あったぜ。結構近い。場所はここん村の8−9の近くだ。」

 玉葵ぎょくきはその方向をじっと見つめた。彼らは大体の住所を覚えている。この村の8−9ならば、大きい病院の近くだ。

 この時間に一人で歩いている人は少ないし、大きな“力”を持った気を発している人はそもそも少ない。というわけで玉葵もその気を感じることができた。

「あれか...。よし今から行こう。準備して。着替えろよ」

「............分かった。」

 彼はあまり行きたくなかったみたいだが、玉葵一人に行かせても彼女に不審がられるだろうと思い、渋々了承したようだった。

 玉葵達は並んで歩いた。目的地へは数分でついた。そこには真夜中にも関わらず一人の女が困ったようにうろついていた。女は17、8歳頃で、何処かの制服の上から膝下まであるコートを羽織っていた。手には大きなバックを持っている。彼は基本無口なので、とりあえず玉葵が声をかけた。

「お姉さん、そこで何をしているの?」

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