ep2 寿司屋でのお仕事
この日の血糸さんの仕事場は、銀座の高級寿司店である。
まずは裏の厨房での皿洗いの手伝いからはじめた血糸さん。
腕を10本に増やし順調に皿を洗っていく。
この日の血糸さんは絶好調だ。
鼻歌を交えながら作業を進めていく。
ガラガラ
扉が開く音がする。
どうやら新しいお客さんが来たようだ。
血糸さんは新米らしく大きな声で挨拶をしなければならないと思った。
「いらっしゃいませ~〜〜!!!!!」
地鳴りのような大きな声でお客さんを出迎えた血糸さん。
この声の振動で、店の窓、扉、食器などありとあらゆるものが割れてしまった。
もちろん、せっかく血糸さんが洗った食器達もだ。
血糸さんはやりすぎたことを後悔した。
けれどもネガティブにはならず、すぐに力を使って全てを再生してみせた。
午後になって、大将に「血糸さんもカウンターに立ってみるか」と言われた血糸さん。
血糸さんは喜びのあまりジャンプしたのだが、着地の衝撃で床にヒビが入ってしまった。
カウンターに立った血糸さんは、簡単な作業から任される。
ここで炙りトロサーモンの注文が入った。
血糸さんは炙り作業を担当することになった。
大将が握った寿司が、炙り担当の血糸さんに回ってくる。
血糸さんは重大な仕事を任されて喜んでいるため、顔が虹色に光っている。
血糸さんはサーモンめがけて、手から火炎放射を出した。
血糸さんは、やりすぎてしまった。
火炎放射の炎が強すぎて、ショーケースに入った魚とお客さんの顔までも炙りトロにしてしまったのだ。
血糸さんは急いでお客さんの顔を作り、火傷で原型を失った顔と交換した。
なんとか事なきを得た血糸さん。
お客さんにお詫びのために何でも用意しますと血糸さんは言った。
お客さんは「そうだなぁ、久しぶりにノドグロが食べたいな」と言った。
この日は仕入れの関係で、ノドグロを切らしてしまっていた。
大将がこのことをお客さんに伝えようとすると、「待ってください大将。私が今すぐノドグロを獲ってきます」と血糸さんが言った。
血糸さんの言っていることの意味がわからない大将とお客さんはキョトンとしていた。
そんな二人を置いて、血糸さんはノドグロを獲りに行くために店を出る。
血糸さんは道路で助走をつけて空に飛び立つ。
目的地はノドグロの産地である石川県だ。
血糸さんは音速を余裕で超える速さで飛んだ。
他の飛行機とぶつかる恐れがあるため、宇宙を飛んだ。
高度約100kmから、垂直降下し、海に飛び込んだ血糸さん。
ノドグロが生息する水深200mにあっという間に到着した。
すぐにノドグロを見つけた血糸さんはノドグロを生け獲りにして、そのまま寿司屋に戻った。
わずか数分間の出来事だった。
大将が超新鮮なノドグロを捌いて、寿司にして、お客さんに提供した。
お客さんはあまりの美味しさに気を失った。
夜の部の営業では血糸さんが寿司を握ってみることになった。
血糸さんが練習で寿司を握ると、握力が強すぎて、シャリがドロドロのおかゆになってしまった。
いろんな騒動があった寿司屋での仕事を終えた血糸さんは満足気に帰路についた。
今日の被害報告
寿司屋の窓、扉、床
食器
お客さんの顔
血糸さんが全て再生したため被害額は0円也
血糸(ちいと)さんのチートな日常 〜人外主人公が送るハチャメチャ物語〜 あまがみ てん @sento710
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