ブラック条件で採用のこと
馬上で揺れつつもコチラに向けた剣先はピタリと定まり、動かない。
切っ先はホンの僅かだが潰れ、刃こぼれもある。
散った火花の分減ったてとこか?
しかし心も剣先のその体同様に動かない、ということか。
白い種族様はやることなすことかっこいいですねえええええ千回死ね!
「・・・よしわかった!だがしかし俺も故国では億の民を統べる政体にあり主権者であった存在。封建社会の騎士階級如きのコトバに唯々諾々と鉄鎖に繋がるなど我が主権にかけ認められぬ」
我が主権wwwいや、ウソ言ってねーぞwww
選挙なんて50年で二回くらいしか行ってねーけどな。
「よって貴公にもそれなりの礼を尽くしてもらうぞ。直ちに下馬しその被り物を取れィ!」
こう、開いた掌の前に突き出して居丈高に申し付ける。
バーン!とか効果音文字がついちゃう感じ(自己評価)。
「フン、よくも口が回る・・・詐欺師、では無いな。・・・どうやらまことのようだ」
騎士は刃をおさめ、馬を降りると兜を脱ぐ。
鎧の襟周りに隠された金髪が風にほどけ、午後の日差しに空へキラキラとたなびいていた。
「無礼許されよ。我が任に置きこの条件譲ること敵わず、この礼を持ち受け入れて頂きたくお願い申し上げる」
「あ、ああ・・・」
喉から勝手に呻き声が漏れ出てしまう。・・・これは歓喜の声か?
ま、まずい、従属の魔法にかかってしまった。
どう見ても美少女。
美少女騎士。
馬から降りたらかなり背も低い。
セーラー戦士の赤い方のコスプレなどされたら全地球が46秒かからず精液で全球水没になるほどのエロかわゆさ。
手が勝手に地に落ちた鉄輪を拾い上げ、装着する。
「なんという美しさ・・・どうかこのトン辺り数十円の醜く哀れな畜生めに御尊名を授け下さい」
俺は地にヒザをつき、泣いていた。
この美少女の鎖に繋がれるという歓喜に瀑布がごとき涙を流していた。
恐ろしすぎるだろ従属魔法。
「我が名はフランソワーズ。一億もの民を統べる国の主権を持つ閣下に名乗らせて頂くは幸甚である」
フランス人なの?って自動翻訳のお陰か意味わかったわ。
フランセットとかフランシーヌとか槍女て意味じゃんやばいよ。
「では時間も押しているゆえ、曳かせていただく」
そう言うとフランソワーズは馬にまたがり、全速で駆けだした。
鎖が張り、俺は直立のまま海上スキーのように曳かれてゆく。
え?なんだこれ・・・きもちいいwww
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