不採用?じゃあバイトに応募しますね

剣をだらりと下げた右側面を向けながら、騎士が馬を横歩させ間合いを測っている。


馬も騎士もむちゃくそデカい。うっすら黄色くなり始めた午後の日差し、て感じの光を受けながらキンキラ輝いている。


いきなり殺しに来たよな?チートなきゃ即死してたぞ絶対。

感触は無かったが目に剣先を当てられたみたいだったし・・・その直後の火花と鉄がぶつかる音はなんだったんだろう?バリヤー??


歩いてるだけの人間いきなり殺すてヤバすぎるだろ、こんな奴らが護衛対象なの?

殲滅目標の間違いなんじゃね?


そう疑問すると、騎士の頭の上に”caution!”て英語が点滅し始めた。

は?て強く瞬きすると、騎士の右側に文字がズラズラと出てくる。


”護衛対象も攻撃できますが、クエストのリザルト及びリワードに大きなリダクションがあります”


リダクションてなんだ・・・わからんが文脈からどーみてもマイナスやペナルティて感じだよな。


騎士一人殺す毎に髪の毛一本減額か?いやそんな軽いわきゃねえか・・・・・一房とか、それどころか頭頂部から薄くしていきますねwwwだったら最悪だぞ!


ここはちょう慎重に、菩薩の心で進んでゆくしかあるまい。


「あの~~~・・・今殺しにきましたよね?コレ一つ貸しで収めますんで、馬車の護衛させてください」


「胡乱げな輩と取引はせん。だが・・・」


騎士は引いた剣先をチラ見しながら小手の指先でなぞっている。


「穏和しく縄を受ける、というのであれば引き摺って行ってやらんこともない」


「ええ・・・じゃあそれで」


騎士は鞍の横に下げられた鎖の輪を取ると、こちらに投げた。

対戦車ミサイルの有線のように輪っかがほどけながらこちらに落ちる。


鎖の端には鉄輪が二つ、繋がっていた。


「ええ・・・ひょっとしてここに手を入れるの?犯罪者扱いジャンやめてよ」


「胡乱げな輩といった。縄を受けるも承知したのだろう、でなければ・・・」


騎士様はかっこよくコチラに剣を向ける。


「剣にかけキサマを排除するのみ」


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