気が付けヴぁのっぱら
野原だ。
原野っつーほど荒れて(?)なく、雨やら動物の足やらでほどよく慣らされ、ゆる~い起伏の大地にどこまでも野草と淡色の花がモサモサと生えている野原。
定冠詞つけてTHE・野原とか言っても許されるくらい野原て感じだわ。
足元らへんには青が強い紫のちっちゃい花がゾワゾワと咲いている。
ナマエ知らんけどなんとかのアロマっぽい小洒落た香水の匂いに似てる。
「こんなトコでナニしろっつーの・・・」
文明的な建造物が出てくるまで歩けってか。
・・・そういや若返ってるんだよな?
なんとなく頭に手をやると、すべらかな感触。
「オフゥ・・・」
床が抜けたような、という修飾表現を体感で理解しながら、俺はそこに坐した。
「生えてねーよ!」
なんなんコレ・・・書籍化とかなってもぜってーフィギュアとかならんだろどーすんだよ・・・
「来歴・・・じゃなくってなんだっけ・・・ディスコグラフィ?プロフ??性能諸元、一日一善、七転八倒・・・」
思い出せねえ、なんだっけステータス見れるヤツ・・・
「あ、ステータスかwwwステェエエエエ!!!!!タッス!!!!!!!!!」
びょん!と視界に字幕スーパーが入る。
ナマエ:草林 茂 年齢:19
職業:チーター
レベル99:Next 1999999999/1999999998
HP262,144
MP262,144
STR 255
INT 255
WIZ 255
DEX 255
AGL 255
MND 255
PIE 255
CHR 255
LUK 255
KRM 255
スキル:特になし
魔法:英語
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
やべえなんか目がチカチカしてきた。
えすてぃーあーるといんとしかわからんぞコレ・・・あとラックか。
筋肉と頭脳と幸運。
つか19でハゲって・・・
つか最後のKRMて業績とかそういうアレじゃないのか?
この異世界(つか長野の湿原の横って雰囲気なんだが)でなんもやってない内から他人に「おっ、あの茂さんじゃないですか」とでも言われるってのかよ。
つーか最後の魔法:英語てなんだよ・・・ウォーターて言や水出てくんのか?
「ウォーター!・・・・・ひゃああああ!!」
じょぼぼぼぼ・・・・と指先から水が出てきた。
「飲めんのかコレ・・・」
ちょっと嫌だなあと思いながら舐めてみる。
うむ、生温い。
「冷たいウォーター・・・おっ、これはうまいな」
いい感じに冷えた水が出てくる。
冷たいは英語じゃなくてもいいのか?
しかしものたりん。やはり清涼飲料水無しでは生きてゆかれんそ・・・
アメリか英語で言ったらコーラになったりしないだろうか。
「ワーラー!・・・・うぉおおおおお!!!!!!!!」
まるで瀑布のような勢いで大量の水が吹き出した。
俺の指先から。
大量の水が空気を割って地に落ちる重低音にビビって止めてしまった。
つか、意識だけで止められてマジでよかった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
純水て飲んだら死ぬんでしたっけ・・・
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