第47話・千夜一夜物語 4

俺は食い入る様に雲に映し出された皆んなを見る。

「まぁお茶でも飲みながらゆっくり見ようや」

ジンさんはそう言うと指をパチっと鳴らす。

するとどこからともなく英国式の様な机と椅子にアフタヌーンティーとかいうんだっけ?と良い香りの紅茶が現れる。

「おおっ!!」

「これくらいで驚くなんてオモロいなぁクロちゃんさん♪あ、クロちゃんさんは緑茶のが良かった?」

「あ、いえ紅茶で大丈夫です」

「そう、遠慮せず食べてね」

「ありがとうございます」

アフタヌーンティー、どこから食べるのが正解なんだろう。

「さてぇ誰からオモロいかなぁ」

再び映像雲に目をやる。

皆んなは大丈夫かな・・・・。

あの時皆んなで観た千夜一夜物語とは全然違う。

あの時は一つの話が強制的に頭の中に流れ込んできて読まされた感じだったけど、今回は皆んな違う世界に飛ばされた感じだ。

その中で出口を探してる。

千夜一夜物語が全部揃ってるから?

法則性が分からない。

出口はあるの?出たからどうなるの?

願いはどうすれば叶うの?

俺の隣にいる魔神を倒せば良いの?

願いは何が正解なの?

分からない。

土下座はしたけど俺は何をする事が正解なんだろう。

「お!早速動きがあったで〜。可愛い系の子♪」

映像雲に目をやる。

モルジアナさんだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る