第46話・千夜一夜物語 3
「どないな等価交換やねん!」
俺に出来るのは土下座くらい!何も持ってないから!何も出来ない俺に出来るのはこれぐらい!押せ!押すのだ!
「お願いします!!」
「そもそも質問合戦のはずなんやけど」
「お願いします!!」
「これは会話にならないな」
土下座をして体感10分くらい。あれから何も言わない魔神様。チラッと見てみよう。
「〜〜〜〜〜〜〜」
めっちゃ悩んでる顔してるー!あれはダメなんだけどな〜でも土下座までしてくれてる気持ち無下には出来ないよな〜マジでどうしよ〜の顔だ!!
この人めっちゃ良い人だー!
「どないしよう・・・・」
声に出しちゃった!
「ク、クロちゃんさんの願いは何や?」
折れたー!
「お、俺の願いは・・・・!」
願いは・・・何だ?
能力を使いこなすこと?
強くなること?
皆んなの為になること?
能力を解除すること?
「そや願いや」
「俺の願いじゃなくても良いですか?」
「??」
「実はここには知り合いというかそういう人たちと来ていて、その人達はちゃんと願いを持っているので・・・」
「そうなんや、他にも来てるんやなぁ。気づかんかったわ、そういうのホンマ苦手やらからなぁ」
「それでその、その人達はちゃんと願いを持っているのでその人達の願いを叶えて欲しく・・・」
「イイ人やなぁクロちゃんさん。そや!ちょっとクロちゃんさんの仲間がどこにいるか見てみようか!」
そう言うとジンさんは手平サイズの小さな雲を8個程何もない所から出した。
「んーとホンマや。来とる、皆んな頑張っとるなぁ」
ジンさんの出した雲を見るとそれぞれにシンドバッドさん達がプロジェクションマッピングの様に映し出されていた。
「凄い!」
思わず声が出る。
写ってる景色が全員違う、皆んなバラバラになってたんだ。
「いや〜そう言われると嬉しいわ〜。これでクロちゃんさんのお友達がちゃんとした願いを持っとるか見てみようか」
え、それはちゃんとしてなかったらダメ・・・なのかな?
「そんな、ちゃんとしてなかったらダメ?みたいな顔しないで。ダメちゃうよ、ちゃんと条件満たしたら叶えてあげるから。これは人の本性を見る為や」
本性。
「人は極限になったら本当の欲望が出るもんや」
・・・それはその通りだ。それを何度か見てきた、前の世界で。
「さて、クロちゃんさんのお友達はどない本性を持っとるかなぁ」
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