第25話
「これは・・・・」
何もなかった。比喩でも何でもなく何もなくなっていた。
「スゲェなこりゃ」
「シンドバッド、何もここまで。」
「相手は盗賊だよぉ、手加減したらこっちがどうにかなるよぉ。手加減はしたけどぉ」
手加減してこれか。いやそんな事より現実味がなくて自分でもどういう気持ちか分からない。
まるで戦争の話を聞かされて、その現場に行ったような。
! そうだ!バイコさん!ご自由にどうぞとは言ってたけど、流石にこれは・・・!
「綺麗なったな、団は家族とか言ってたからウザかったんだよ、東のは。」
何を言ってるんだろう。
「バイコ~もっと感情的になるとかないのかよ~」
「アーズィム、他人がどうなろうと別にどうでも良くないか?」
「そりゃ同感だ」
あの2人は何を言ってるんだろう。
「さて、如何いたしますか?シンドバッド様」
カシムさんが日常の事ように何も触れず尋ねる。
「ん~宝物庫みたいのはなかったんだよねぇ。バイコくん~何か知らないぃ??」
「東の事は何も知らん。が東のリーダーのバイオは宝にはうるさい奴だ。奴しか知らない宝物庫はあるだろう」
「シンドバッド様ー。そのリーダーは居たんですか?一緒に殺した??」
「いやいやモルジアナ~、居たら私も半殺しくらいにするよぉ」
「それもそうですね!ハハハッ」
現実味がないからなのか、俺に耐性がないからなのか、これがこの世界の普通なのか、死体を見てないからからなのか、知ってる人が死んだりしてないからなのか、異世界だからなのか、皆んながおかしいからなのか、俺がおかしいのか。
何だこれ。何だこの会話。
そんな事を考えてる間にも時間は進む。
「じゃあ宝物庫探すより東のリーダー()を探した方が早そうですね」
「そうだねぇアリババ」
「あぁ~~~~~!!ボ、ボクの町がなくなってる~~~!!?何で~~~~!??」
煙のなくなった荒野から響く声。
「! バイオ!」
「あ、バイコ」
バイオってあの人が東のリーダー!?
クリーム色の髪色で前髪で目が隠れていて見えない。後ろ髪は二本のおさげ。
「お前かぁ!!ボクの町をーー!!」
ものすごい速さでバイコさんに掴み掛かるバイオという人。
「違う、離せ」
「アレ?でも死んだって聞いたけど??もしかして幽霊的な~~~!!?」
「違う」
「あ、そうなら良かった。で!ボクの町はどうしてこうなった!?」
畳み掛けるように話す人だな、あと感情の起伏も激しすぎる。
「それはぁ私がやりましたぁ。どうも、こんにちは。バイオ君」
「・・・・あ~王様じゃん」
「ちょっと欲しい物があったのと、君たちの行動は目に余るからぁ町ごと消さしてもらいましたぁ」
「ボクの家族も?」
「家族・・・そうだねぇ」
「じゃあお前も死ねよ・・・・」
東のリーダー・バイオは腰から2本の小刀を取り出しシンドバッドさんに襲いかかった。
それをすかさず受け止めるカシムさん!
「落ち着いてください、貴方には聞きたい事があるのです。死ぬのはその後で。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます