第24話

グランドの都市の周りには東に大砂漠と西に大草原がある。

それぞれに盗賊が出て他の都市からグランドに来る人々をカモにしている。

グランドから出る人々も襲われたりしてる。

グランドは都市外の平等エリアなので中々思い切って手を出せないらしい。

その西の大草原をテリトリーとしている盗賊団のリーダーがバイコさんだ。

俺がこの世界に来て最初にいた場所。

俺とバイコさんが出会った所。


「俺のテリトリーは西だ。東は根城じゃない」

「西と東は合わせて大盗賊団だろぉ」

「違う。一緒にするな」

バイコさんとシンドバッドさんが言い合いを始めてしまった!

ん、バイコさんと話してるって事はシンドバッドさんエア語話してる??

「それは失礼したぁ。じゃあこれから東の盗賊団を潰しても君は大丈夫な訳だぁ?」

「ご自由にどうぞ」

「あ、あの、どういう??」

俺は思わず口を挟んだ。

「これから向かう東の大砂漠の盗賊団のアジトに千夜一夜物語があるんだよぉ」

「盗賊団なんて邪魔だもんなぁ、ついでに潰しちまおうってか」

アーズさんが聞く。

「その通りぃ。グランドの民も被害に遭ってるしねぇ」

「おー怖ぇ怖ぇ」

魔法の絨毯はそれから10分もしない内に東の大砂漠に着いた。

東の盗賊団アジト上空。

アジトは岩と石で作ったような建物が乱雑に建っていた。かなり広い範囲で。流石大盗賊団、結構な人数がいそう。

「これからどうします?まずはどこに千夜一夜物語があるか確認の為に潜入しますか?」

「いやいやアリババ。そんな事しないよぉ。バイコ君の許可も取れたしねぇ。シンプルにいこう」

「??」

そう言うとシンドバッドさんは魔法の絨毯から飛び降りた。

「!!?」

「おい!」

「シンドバッド様!!」

「落ちたのか!?」

「は??」

この高さってビル何階分!?え、マジでえ!?

しかしシンドバッドさんは無傷どころか無音の着地。

次の瞬間には建物が次々爆発していった。

「おぉ!?急にドンパチ始めやがったのか!?」

「カシムさん!魔法の絨毯下ろせませんか!?」

俺は叫ぶ。

「すぐに!」

「僕がやりますよ」

「アラジンさん!」

「大丈夫ですよ、天使。シンドバッドは。これくらいじゃ」

魔法の絨毯が地上に降りた時は辺りは煙で何も見えなかった。

煙が晴れた時そこにはあったはずの建物はなく、シンドバッドさん以外は何もなくなっていた。

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