第12話 襲撃……?
———4時間後。
エドワードとギルバード卿と話しながら、沢山の美味しい料理を頬張り、苺のショートケーキを食し、様々な事を質問をしていたらあっという間に時間が過ぎていった。
更にラッキーな事に、ドラゴアイ家は分家でもトップクラスの権力を持つ家だと判明。
お陰で、他の分家の奴らが寄って来ることもなく、平穏に、楽しくパーティーを過ごすことが出来た。
「それではまた明日」
「また明日なユイト!」
「ああ、また明日」
俺はギルバード卿とエドワードに別れを告げると……2人に遠慮していたのか、姉上が入れ替わる様にやって来た。
その後ろには父上と母上も居る。
「ユイト〜〜〜会いたかったよ〜〜〜!!」
「ずっと会っていたではないか」
「違うのっ! ユイトをぎゅってしてないと会ったことにはならないんだから!」
「何だその変なルールは」
俺は抱き着いてきた姉上を引っ剥がそうとするが……俺がタキシードで姉上がドレスと言う高価な服装なため、破いてはいけないと思い、仕方なく為されるがままに身を任せる事にした。
そんな俺と姉上の姿に父上も母上も微笑ましげに眺めている。
それにしてもやけに思いっ切り抱き締めるな、姉上……ん、今何した?
「おい、姉上」
「すぅぅぅ〜〜〜はぁ〜〜すぅぅぅぅ〜〜」
「……っ、匂いを嗅ぐのはやめろ!!」
俺は「服装など知ったことか!」とばかりに強引に姉上を引き剥がす。
案の定力を入れて抵抗して来たので、【暴竜眼】まで使用して引っ剥がした。
「あぁ……ユイト〜〜何でお姉ちゃんを引き剥がすのぉ……」
「姉上が匂いを嗅ぐからだ! 気持ち悪いから2度とやるな!」
「…………善処する」
姉上は胸を抑えながら小さな声で呟いた。
だが、『善処』というやらない前提の言葉を使った辺り、今後もやられるのだろう。
俺がため息を吐きながらタキシードを直していると……父上が俺の頭に手を置いた。
「父上?」
「———よく頑張ったな、ユイト。まさか【暴竜眼】の息子にあそこまで圧倒して勝つとは思わなかったぞ」
「俺は、父上と母上から頂いた最強の身体と最強の魔眼を持ってるので負けません」
「……ユイト、貴方の魔眼は一体何なのかしら……?」
優しい笑みを浮かべて俺の頭を撫でる父上とは対照的に、母上が心配そうな顔で俺を覗き込んだ。
それと同時に、父上と姉上も露骨にソワソワし始め、聞きたいことが手に取るように分かった。
「———【模倣眼】だ」
「【模倣眼】? 初めて聞く名前だな……」
「ざっくり説明すれば、自らが見た魔眼を
俺のざっくりとした説明に、3人は大きく目を見開いた。
何なら驚き過ぎて姉上なんかは雷が落ちたかの様な表情をしている。
「そ、それは……今儂達の目の前で実演してくれるのか……?」
「わ、私からもお願いするわ、ユイト」
「私も見たい〜〜!!」
「姉上は一々抱き着こうとするな! ———【
俺は即座に片眼ずつ発動させて、姉上の動きを予測し上昇した身体能力で避ける。
まさか避けられると思わなかったらしい姉上は、目をパチパチさせながら何度も俺と自分の手を交互に見ていた。
「そ、そんな……お姉ちゃんのハグが……」
「ふんっ、姉上のハグはもう攻略済みだ」
「おお……これが【模倣眼】の力か……確かに凄まじいな」
「……でも特別な力には———」
母上が何かを言おうとした時———先程まで姿をくらませていたレイブンが現れ、コソッと俺に耳打ちした。
『ユイト様、お見事です。まんまと釣れました。場所は例の場所です』
『そうか、直ぐに向かうとしよう』
俺は報告を聞くと、一旦魔眼を解除し、3人に告げた。
「———少し用事が出来ましたので、俺は此処で帰らせて貰います」
「何の用だ? 家族より大事な用事か?」
父上が、タイミングもタイミングのため、流石に不審そうに訊いてくる。
しかし、この事は今言うことは出来ない。
父上に任せれば、十中八九俺の目的が達成出来ないからな。
「すみません、父上。事が終わりましたら報告します」
「…………そうか、くれぐれも気を付けるのだぞ」
「はい。———行くぞ、レイブン」
「承知致しました」
俺は1度父上に礼をすると、脚に魔力を纏わせてレイブンと共に廊下を駆けた。
俺はレイブンと共に寝室へと駆ける。
我が家は物凄く広いので走っても1分くらいは掛かるのだ。
まあ、相手は1分では絶対に逃げられないのだが。
俺達は1分で寝室へ辿り着くと、そっと扉を開けた。
そこには———。
「くそッ……! 何だよこれ……!? これは一体どう言う事だ……ッ!?」
———布団に簀巻きにされた全身黒の暗殺者みたいな風貌の男が1人居た。
男は必死に拘束から抜け出そうとするが、全く身動きも取れない程にキツく縛り上げられて吊るされているため、未だ抜け出せそうになさそうである。
「おい、貴様……俺の部屋に何しに来た?」
「……っ、ユイト・デビルアイ……!!」
余程テンパっていたのか、俺が話し掛けるまで気付いて居なかったらしく、物凄く動揺していた。
俺はそんな男の頭に手で掴み———。
「な、何を———」
暗い部屋で、昏く昏く……深淵を覗き込む様に怪しく、赤い瞳が輝いた。
「クックックッ……残念だったな。我が闇に抱かれて堕ちろ———【
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