第19話 決意

周りが真っ暗になり相手の位置が分からなくなった。ブラックアウト、視界を奪う闇魔術。

視界が見えなくなりルミアの位置が分からない


「何も見えない!?あいつはどこにいるんだ?」


気配を消したのか?本当にいる位置が特定出来ない

暗く周りが見えないが音は聞こえる

近くで2人が戦っている音、この暗闇の中で激しい戦いが起きている


「見えてるのか?あいつら」


俺は何も出来ずその場で固まっていた


「結構強いね君、本当に学生?」


「魔族を殺す為に強くなったの、だから貴方の動きがハッキリと分かる!」


剣と剣が暗闇の中で激しくぶつかり合う

見えなくても互角に戦っているのが分かる

2人とも人間離れしている。


「互角だね、決着がつかなそう、」


「いや、次で決める!私の切り札で!」


魔術の効果が切れ周りが明るくなる


「切り札ねぇ?あるなら早く見せてよ!」


「言われなくても見せてやるわ!」


彼女は剣を構え魔術を発動する。


「エンチャント・スカイルブレード!」


彼女の剣が眩しく光り始める、魔力を剣に集中し自身の剣を強化した。


「強化魔術ねぇ、いいんじゃない楽しめそう」


「魔力を帯びた私の攻撃は凄い威力を誇る!速攻で決めさせてもらう」


彼女の剣は光を放ち、攻撃を受けて無くてもその威力の高さが分かる程強力な魔力を帯びている。


「私はこのままで行くね、そう言えば貴方の名前聞いてなかったね、教えてくれる?」


ルミアは彼女に名前を問う


「名前なんか聞いてどうするの?教える気なんて無いんだけど、」


「知りたいなぁ、強者の名前は覚えておきたいし、」


「レイ、レイ・シルバース、これで満足?」


「レイちゃんね、覚えておくよ!」


「話はこれで終わり、貴方を全力で殺す!」


レイはルミアに向かって一気に突っ込む

先程より速いスピードで間合いを詰める

ルミアはレイのスピードに驚いた、さっきは全力を出していなかったのだ。


「速いっ!?殺意がすごく伝わってくる」


「死ねっ!」


レイは剣をルミアに向けて大きく振り斬りかかる、避けなければ致命傷になるだろう


「これは今のままでは受け切れないね、」


ルミアはレイの攻撃をギリギリで避ける

春太は自分がこの2人の戦いについていけないのが分かった。


「2人の動きについていけない、騒ぎが大きくなれば人が集まってくる、どうしよう」


春太は考えていた

レイと2人なら勝てるのではないかと

だが急に2人の戦いに入って無事で済むのだろうか

無事では済まないだろう、下手をしたら命さえ危ない、恐怖はある、だがやらなければいけない

春太は覚悟を決めた。


「いくぞぉぉ!!!」


春太は戦っている2人目掛けて走り出した。










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