第13話 魔術発動
アンが速攻で俺に向かってくる
一撃でまた勝負を決める気だ
さっきより凄いスピードで距離を詰めてくる
余裕がないのだろう本気だ
「さっきより早い!だが合わせられる!」
アンの攻撃を受け流し反撃に移る
拳に力を入れる、俺はアンに向かって拳を振り下ろす
背後をとった春太の攻撃は普通の人間では避けられない
だが俺の攻撃にアンは反応した、後ろに目がついていないと絶対に反応などできるはずがない
背後からの攻撃を弾いて体勢を立て直す
「よく私の動きに合わせられたわね、」
「俺の攻撃にもよく反応したな、」
「気絶してる間に何があったの!?さっきとはまるで別人じゃない」
「さぁな、俺にもよく分かんない」
「楽しくなってきたわね!」
「あぁ、そうだな」
お互い少し距離を取り再び構える
アンはエンチャントを消した
息を整え攻撃に移る、手を春太の方へ向け魔術を発動した。
「ヘルフレイム!」
大きな炎の球が勢いよくこちらに飛んでくる
正面から防ぐ事は出来ない
春太は素早く走り火球を避け魔術を発動しようと意識を掌へ集中する
体の中の魔力を意識してそれを掌一点に溜め起動する
「ヘルフレイム!!」
アンの使う魔術と同じ物
発動できるかは分からなかった、だが大きな火球はアンの方へ勢いよく飛んでいく
アンは驚いた表情をしている
直ぐにアンは反撃に移る!
「ヘルフレイム!」
お互いの大きな火球がぶつかり物凄い音と爆風が巻き起こる!
その爆風で体が吹っ飛ばされそうになる
目を瞑り耳を塞いでその場で耐える
「凄い破壊力だ!体が飛ばされる!」
2つの火球はぶつかり合い相殺した
地面が抉れる程の威力だった
アンの様子が変だやたら息切れしてる
相当魔力を消費した為、魔力の底が見えてきたのだろう
「ハァハァ、まさかアンタがヘルフレイムを使うなんてね、」
「俺も、使えるなんて思ってなかったよ、一か八か試してみただけだ、」
「普通、魔術は見ただけでは使えない筈なのに、」
「どういう事だ、」
「魔術はね、名称が分かっていても、最初はその魔術に自身の魔力が追いつかないから、時間をかけてゆっくり使えるようになっていくものなの、」
魔術は適正にもよるが、名称が分かれば発動はできる、しかし最初はその魔術に自身の魔力が追いつかず使えない、つまりゆっくり時間をかけて努力して段々使えるようになる
「アンタ、何者なの?」
「ただの一般人だよ、」
「そう、才能かしらね、羨ましいわ」
明らかにアンの魔力が減っている、それもそうだ高火力のヘルフレイムを短時間で何回も発動したら魔力をかなり消耗する
「まずいわね、もう殆ど魔力が残ってないわ、」
「決着つけさせてもらう!」
ここで決着を付ける今の俺なら確実に勝てる自信があった
もう一度魔術を発動しようとした時
「もう降参するわ、もう魔力が殆ど無いの、だから貴方には勝てない」
「降参するのか?そうか、なら俺の勝ちだな」
「えぇ、貴方の勝ちよ、」
アンは降参した、もう魔力も残って無くこのまま戦い続けても勝てないと悟ったのだろう
「貴方強いのね、私負けたの初めて、」
「そうか、お前は強いよ」
「ありがとう、でも次は私が勝つわ、」
アンは初めて純粋な笑顔を見せた
最初は苦手意識が少しあったがそんな気持ちも無くなる程の可愛らしい笑顔だった。
「試験終了!今残っている者を合格とする!」
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