第12話 魔力解放

「逃げ場はないって事だね?」


俺とアンの周りには炎の壁が円形に広がっている、邪魔は入らないが逃げ場もない


「ここで私と真剣勝負よ!」


「俺は魔術が使えない、だけど絶対に勝つ!

俺にはとっておきの切り札がある」


切り札なんてない

切り札があると思わせれば相手は警戒するはず


「どんな切り札があるのかしら?」


「秘密だよ」


「ヘルフレイム!」


アンはいきなりとんでもない魔術を発動した

ヘルフレイム、フレアボールとは比べ物にならない超火力魔術、大きな炎がこっちに向かって飛んでくる。

こんなの喰らったら確実に死ぬ

避けられたとしても掠っただけで大ダメージを受けてしまう


「火力は凄いが避けられないほどではない!」


走りながら大きな炎を避ける

先程のダメージもあってか避けられはしたが少し当たってしまった。


「避けたのになんて威力だよ!」


「結構動きは早いんだね、」


「どうも、」


こんなに実力に差があるとは思ってはいなかった。

アンが強いのは分かっていたしかしこの実力差はヤバい


「これで決めるよ!エンチャント!!」


エンチャント、身体強化魔術

自身の体を魔力で包み戦闘力を飛躍的に上げる魔術


「体の周りに赤いオーラみたいなものが出てる?!」


「私の身体能力を上げた!これで近接戦闘も強くなったわ!」


アンが凄い勢いで走ってくる


「はやいっ!!」


物凄いスピードでこちらに向かってくる

こちらも構える

目の前にアンが迫ってきた

先手必勝!アンのパンチが春太の腹を突いた

身体強化されてるからだろう人間のパンチとは思えないほどの威力の攻撃だ

反撃も出来ず春太はその場に倒れた


「決着ね、私の勝ちよ!」


「....」


「気絶したかしら?手加減はしたから死なないはずよ」


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「ハルタ君気絶しちゃったよルミア」


「流石に実力に差がありすぎたね」


「どうするのルミア?」


「ハルタの魔力を引き出す!」


「手助けしてあげるの?」


「今回は特別だ、私はあいつに強くなってもらいたい、だからここで終わらせない。」


俺の気絶を確認したアンはその場を離れていく

アンが見えなくなったとこで2人は動き出した

俺の前に2人は近づいてきた


「気絶しちゃってるね」


「退けて、私が起こす」


ルミアは俺の体に触れて自分の魔力を春太の中に流す

ルミアにより春太の中の眠っている魔力が目を覚ます。


「これでいい、すぐ目を覚ますだろう、帰るよ」


2人は春太の魔力を引き出しあと誰にも見つからないようにその場から去っていった。


_______________________________________


少し時間が経ち春太は立ち上がった。


「クソ痛いな、ここにいるって事はまだ失格になってないのか、」


大きなダメージを喰らっているのに不思議と力が湧いてくる

何とも不思議な感覚だ


「力が沸いてくる、何だこれは?」


まだ戦えるこの力があれば


「アンはまだ遠くには行ってないだろう、追いかけるか」


今なら勝てる気がする

走ってアンを探しに行く

今までより足が速くなったような気がする

体が不思議なくらい軽い体もほとんど痛くない


「スピード上げるか、」


さらにスピードを上げアンを追いかける

少し走ると戦闘後のアンの姿があった

表情を見た感じ余裕で勝ったのだろう


「追いついた、リベンジさせてもらうよアン!」


アンは振り返り驚いた顔でこちらを見ている


「何でアンタがいるの?気絶させた筈なのに!

それに、何があったの?明らかにさっきより強くなってる!」


「知らないけど何故か力が沸いてくるんだ」


「眠っていた魔力が目覚めたのね、いいわ、相手してあげる!」


アンは自分がもう一度春太に勝てるか分からなくなってきた

もしかしたら私が負けると思っている


「エンチャント!」


アンは再び体を強化した

様子を見ている時間はない一気に勝負を決めに行く。


「来い!アン!」















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