第11話 アン・シリエス

「今の状態で他の受験者に会うのはマズい

また身を何処かに隠さないと、」


ふらふら歩きながらまた茂みの中に身を隠す

少し休まないとまともに動けない


「ふぅ、流石にダメージが酷いな、これが魔術か、」


魔術を喰らって少し分かった事がある

この世界では魔術の発動に長い詠唱は要らない

魔術名さえ言えば魔術を発動できる

そうつまり魔術名が魔術の起動詠唱なのだ


「あいつ、魔術詠唱とかしてなかったな、なら俺もフレアボールが使えるのか?」


魔術はそんなに単純なものではない

魔術名を言っても魔力を解放しないと使えない

魔力を解放させるには大きく分けて3つの方法がある。

1、自分自身で努力して解放させる

2、他者に魔力を引き出してもらう

3、自分自身に危険が迫った時に自動的に解放している。

この世界の魔術には火、水、風、雷、土、光、闇、そして無属性魔術が存在する


「フレアボール、、、、あれ?何も起きな

い、」


フレアボールを使える訳がないまだ魔力が解放されていないからだ

俺の中の魔力はまだ眠っている


「やっぱ使えないか、」


この世界には数え切れないほどの魔術が存在する。その中には召喚魔術や転移魔術などもある

人によって使える魔術、使えない魔術がある

その人にその属性の適性ないと使えない


「このまま生き残ろう、」


魔術については時間がある時に勉強しよう

最初の戦いから少し経ち周りは静かになった


「静かだな人数がかなり減ったからか?」


______________________________________


「あれが貴方が気になってるハルタ君?」


「うん、彼は強くなる」


演習場の外に2人の人物がいた

1人はルミアもう1人はその仲間と思わしき人物


「まだ魔術使えないのか、」


「さっきの戦いも相手が弱かったからなんとかなった感じだもんね」


「ハルタの近くに誰かいるな、接触する!」


________________________________________


近くに誰かがいる


「誰かいるな!近い!」


隠れている茂みの近くで人の気配

まだダメージが残っているので今戦うのはかなりマズい

バレないように息を殺してやり過ごそうとする


「そこにいるのは分かっているわよ!出てきなさい!」


「!?」


相手にはバレてしまっている

やり過ごすのは難しい

このまま戦うしか選択肢はないゆっくり茂みの中から出て行く。


「何で分かったんだ、アン」


そこにいたのはアン正直一番会いたくなかった

力の差は歴然、ダメージの残っている俺では本当に勝ち目がない


「感知魔術を使ったのよ!この試験隠れる人が多くてね」


「俺と戦うのか?」


「もちろんよ!貴方は私が倒すって言ったわよね!」


ここまで生き残って残りあと少しのところで見つかってしまった


「貴方誰かと戦ったの?怪我してるみたいだけど?」


「1人の人と戦って勝ったんだよ、」


「手負でも私は容赦しないわ!」


「俺も精一杯抵抗させてもらう!」


「フレイムフィールド!!」


周りを炎の壁が覆う

俺の逃げ場を無くし確実に仕留める気だ


「これで貴方の逃げ場は無くなった真剣勝負と行きましょう!」


逃げ場の無くなった場所でアンと正面から戦うのは負けに行くのと同じだ


「何か作戦を考えないと、」






















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