第6話 目的

「殺されずに済んでよかった、、」


殺されはしなかったが何も出来なかった自分に悔しさを覚える。


「ルミアか、正直アイツには勝てそうにない、」


どれだけ強くなろうと勝てる気がしない

ルミアは強くなると言っていた


「魔術について勉強しないとな」


魔術を使えるようになる俺はそう決めた

いずれまたルミアに会う事になるだろうその時は必ず倒す。


「取り敢えずシノの家に帰ろう、戦っていないのにもう体が疲れ切っている。」


俺は屋敷を出てシノの家へ向かって歩いていく

さっきの出来事はシノに話した方がいいのだろうか?

この世界に来てまだ全然時間は経っていないが俺の目的はルミアや平和を乱す敵を倒して世界を本当の意味で平和にする。


「まだ恐怖が残ってるのか?足が重い、」


ふらふら歩きながら夜の王都を1人で歩く


「俺は強くない、この世界に飛ばされて絶対何かしらのチート能力があると思っていた。だけど実際は今までと変わらなかった。」


チートなんて無い今の俺はただの一般人レベル強くなる為には努力しなくてはいけない


「強くならなきゃいけないんだ、世界を平和にする為に」


歩いているといつのまにかシノの家の前に着いていた。


「着いた、シノが起きないように静かに入ろう」


扉を開けシノの家に入る


「シノは、起きてないよな」


部屋に入り再び眠ろうとする

眠りかけていると物音がした


「んっ、何の音だ?」


目を開けると部屋にシノが入ってくるのが見えた。


「シノ、起きたのか?」


シノは部屋に入る音で目を覚まし俺のいる部屋まで降りてきた。


「ハルタ君、外に行ってたの?」


流石に誤魔化せないようだ。


「あ、あぁ、ちょっと散歩に行ってたんだよ」


「嘘だよね?」


散歩という嘘は流石にバレてしまった


「何かに怯えているようにも見える、何があったの?」


先程の出来事を正直に言うしかなさそうだ。


「嫌な予感がしたんだ、寝る直前嫌な予感がして落ち着かなくて、外に出てみたんだそしたら人影を見つけて、追いかけた。」


「夜は危ないって言ったのに、」


「人影を追いかけていたらそいつは大きな屋敷に入っていくのが見えた。俺はそいつが殺人事件の犯人だと思ってそいつのいる屋敷に入った。」


「危険すぎるよ!何でそんな事したの!?」


シノは怒っている口調が荒い


「ごめん、立ち止まっていられなかったんだ」


「でもハルタ君が無事戻ってきたって事は殺人事件とかはなかったの?」


「いや、予想通りそいつが犯人だった。俺が屋敷に入った時にはもう屋敷の全員が殺されていた。」


「そんな、じゃあ何でハルタ君だけ殺されていないの?犯人とは合わなかったの?」


「会ったよ、実際殺されるところだった。だけど奴は見逃してくれた今回だけと言って、」


「何でハルタ君だけ見逃したんだろう?」


「正直よく分からない、けど君は世界について知るべきだろうって言われた」


「世界について知るべき?」


「アイツには目的があるらしい、その為に殺人をしているらしい」


「そうなんだ、でもどんな目的だとしても人の命を奪うのは絶対ダメ!!」


「俺もそう思う、だから俺は強くなってアイツを倒すって決めたんだ!」


シノに全てを話した。


「本当に無事でよかった、、」


シノは泣きながら俺に抱きついてきた

抱きつかれて俺は戸惑った


「急に抱きつかないで、ビックリした」


「ごめんね、ごめんね、でもハルタ君が無事でよかった、よかった」


少しの間2人で抱き合った。














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