第5話 平和?

「ここで君には死んでもらう」


俺の人生はここで終わるのか?

勝ち目のない勝負だとしてもやらなければならない。

周りを見渡し何か武器になりそうな物を探す

何でもいい相手は剣、俺には武器が無い勝負にすらならないだろう


「(何か使えそうな物あるか?)」


「キョロキョロしてどうしたの?何か武器になりそうな物でも探してるの?」


「!?」


こちらの考えが見抜かれている


「君魔術使えないの?」


「使えない、」


「武器のも無い、魔術も使えない、君よくそれで私と戦おうと思ったね」


「人殺しを見過ごす訳にはいかない」


「私には私の目的があるの」


「そうかよ、俺の目的はお前を倒す!それだけだ」


落ち着くんだ相手のペースに持っていかれたら終わりだ。


「そろそろお喋りも終わりにしようか、お別れだよ」


死を悟った、相手の手が剣に触れる首を斬られる。剣を抜いた瞬間に俺の負けが確定する


「来る!!絶対に避けられない!」


剣を抜いた!


「あれ!?抜いただけ?」


「死んだと思った?」


「あぁ、終わったって思ったよ」


「何も出来ないのに私を倒しに来る度胸に免じていい事を教えてあげる」


「いい事?」


「魔力について少し教えてあげる」


「魔力だと!?」


「君は魔術が使えない、だがそれは魔力がないからじゃない魔力は誰にでも少なからずある」


「何が言いたい?」


「君も魔術が使えればもしかしたら私といい勝負が出来るかもって言いたいの!」


「今から殺す相手に何を言っている?」


魔力について語り始めた

俺に魔力があっても魔術は直ぐには使えない

女は奇妙な事を言い出した。


「君、この世界の人じゃないよね?」


「!?」


なぜ分かる俺がこの世界に来た事は誰にも言ってないし気付かれてもいないのに


「当たり?」


「何で分かるんだ?」


「それは秘密」


この女は何者なんだ?恐怖が増す


「お前は何なんだ!?」


「世界を変える者!」


「世界を変える者!?」


「私は今の世界が嫌いだ、」


「世界が嫌い?今は平和だと聞いた、だけどお前みたいな奴がいるからみんな平和に暮らせない!!」


「世界が平和?違う、君もいずれ知る事になる。この世界が平和ではないって事に」


「教えてくれよ、なぜ平和ではないのかを?」


「ふぅ、じゃあ教えたら君は私のしている事が正しいと認めるの?世界を変える為に必要な事だって!!」


「そ、それは、」


「正しいと認めて私と一緒についてくるなら教えてあげる」


「認められない、認めたくない、どんな理由があっても人を殺す奴が正しいなんて認められない、」


「じゃあ教えられない」


こいつにはこいつの目的がある世界を変える為にこんな事をしている、だがやっぱり認められない


「和解は無理そうだね、」


「そうみたいね、もしかしたらと思ったけど無駄だったみたい、」


「じゃあ俺を殺すのか?」


「いや、もういい、君は知るべきだろうこの世界の事を」


「知るべき?」


「自分の目でこの世界を見るといい」


「見逃してくれるのか?」


「見逃してあげる、今回だけだけどね」


女は俺を見逃してくれると言った

剣を鞘にしまいこの場を離れようとする


「最後に1つ聞いてもいい?」


「何だ?」


「君、名前は?」


「ハルタだ!」


「私はルミア、ハルタ貴方の事は覚えておくわ」


「勝手にしろ」


「ハルタ、貴方は強くなる」


「強くなってお前を倒す!」


「そう、」


ルミアはそう言い残すと屋敷から出て行った

 

「ルミア、覚えたからな!!」










 






























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