第2話 王都ゼーバル
大きいな流石王都だ
春太は王都を見渡す
「大きい所だな、すげぇ!」
人もいっぱいいる
日も落ちてきてるって言うのにすごい賑わいだな
「さてと、取り敢えず今日泊まれる宿を探すしかないかな」
宿を探すにしてもお金がない
「お金がないなどうしよう?歩いて考えるか」
俺は王都を歩く事にした
街並みは日本とは全然違う
「お腹も空いてきたなぁ」
この世界に来てから春太は何も食べていない
王都からは美味しい匂いが沢山する
お腹に手を当てながら王都を歩いていると声が聞こえてきた。
「いいじゃんかよ、お嬢ちゃん」
「やめてください!」
「そんな釣れないこと言わずに俺らと遊ぼうぜ!」
春太は声がする方は走って行った。
するとそこには2人の男に絡まれてる女の子がいた。
「離してください!」
女の子はすごく嫌そうにしている
お決まりのあの展開だ!
「俺が助けた方がいいのかな?」
春太は物陰でその光景を見ながら呟いた
「俺チートスキルとか多分あるよね
ないと困るんだけど。」
女の子が焦っているそろそろヤバそうだ
春太は勢いよく物陰から飛び出す。
「そこまでだ!!」
我ながら完璧な登場
正しく正義のヒーローって感じだ!
「何だ?お前?」
男の1人が喋り出す
「(取り敢えず偽名でも使っとくか)」
「俺は、通りすがりの旅人バファリンだ!!」
勢い余って頭痛薬の名前を出してしまった
「バファリンだぁ?変な名前だな」
確かに変な名前ではある
ここで本名バレて後で復讐されても困るからなぁ
「名前なんてどうでもいいんだ!女の子が嫌がっているだろ!」
俺は悪い事だけは許せない!
だから自分にできる範囲で人助けをしたい
「兄貴やっちまいますか」
「そうだな、1人で来るなんて馬鹿な奴だ」
相手は2人俺は勝てるのだろうか
そもそも俺は異世界に転移して強くなっているのだろうか?
もし元の世界も同じままならとてもマズイ
「来るなら来いよ」
怖い怖すぎる殴り合いの喧嘩なんてした事ないのに
大声で助けを呼ぶか?
「取り敢えず痛い目に合わせておくか」
助けを呼ぶ時間は無さそうだ
「俺が行きますよ兄貴!こんな奴俺1人で十分だ!」
子分の方から来るみたいだ
一対一になるならまだ勝てるかも知れない
春太は覚悟を決める!
「さぁ来い!」
すると子分の方が拳を上げてこっちに走ってきた!
やはり相手も一般人避けられない程でもない
「あぶねっ!」
子分の攻撃を避けて反撃に移る
人なんて初めて殴る
俺は全力で右ストレートを出した
「うりゃぁ!」
俺の渾身の右ストレートは子分の顔面にクリーンヒットした。
鈍い音と共に子分がその場に崩れ落ちる
「やった!当たった!」
心臓はバクバクしている
初めて人を殴る恐怖
子分を倒すと親分が出てきた
「バファリンとか言ったか?結構やるじゃねえか」
「どうも」
さっきの子分より明らかに強そうだ
次はさっきみたいに奇跡的に勝てるなんて起きないかもしれない
でも女の子を助ける為頑張れ俺!
「オラァ!」
相手が殴りかかってきた
早い!子分とは全然違う避けきれない
春太は咄嗟にガードした
「うぐっ、」
ガード自体はできたがすごい威力だ重い
相手は連続で攻撃してきた
受けるので精一杯反撃なんて出来ない
「しぶとい奴だな、ならこれでどうだ!」
今までで一番重いパンチが飛んできた
ガードしてるとはいえ流石に耐えられない
春太は吹っ飛ばされてしまった。
「くそ、流石に体格差がありすぎたか」
まともに殴り合って勝てる可能性はない
何か作戦を考えなければ
「(よし!いいこと思いついた)」
ちょっと格好悪いけどいい作戦を思いついた
金的を狙うそれが俺の作戦
どんなに強い奴だろうと男である以上ここは絶対に弱い
春太は笑みを浮かべ相手に話しかける
「強いね、正直正面からやり合ってたら勝てなそうだ。」
「だろうな、俺は自分が強いのを自覚している」
「だが、俺にも切り札があるのさ」
「切り札だと?」
女の子の前で金的を攻撃するのはみっともないけど勝つためにはしょうがない
「見せてやろうこの俺の必殺技!
あっ!あそこにセクシーなお姉さんがいる!」
俺は大声で叫んだ
当然相手は指差した方は視線を向ける
女の子もそっちに視線を向ける
男なら絶対反応するよな俺だって反応するもん
「隙ありっ!」
相手が視線を逸らした瞬間俺は相手の股間目掛けて蹴りを繰り出した
勝負ありだ
鈍い音と柔らかい感触が足に伝わって来る
効果は抜群だ!
「うぅ、、、」
情けない声と共に相手は崩れ落ちる
「勝った!どうだ俺の必殺技は?」
「卑怯だぞ、股間をね、狙うなんて、」
確かに卑怯ではあるのだが
「うるせぇ!勝てばいいんだよ」
「クソ野郎が、、、」
「君!今のうちに逃げよう!」
俺は女の子に話しかける
「う、うん」
俺は女の子に手を差し伸べ一緒にその場を離れた。
「ここまで来ればもう大丈夫だろう」
2人で走ってある程度さっきの場所から離れた
「君大丈夫?」
「だ、大丈夫です、助けてくれてありがとうございます。」
女の子が笑顔でお礼を言ってくれた
「無事でよかった」
「バファリンさんでしたっけ?怪我とかありませんか?」
「あぁ、怪我はない大丈夫だよ」
「本当助けて頂いてありがとうございます」
「俺は男として当然の事をしたまでです」
「優しいんですね、何か私にできる事があればお礼をさせてください。」
お礼をさせてくださいと女の子は言った
ぶっちゃけ今は今日泊まる宿が欲しいので今晩泊めてくださいって言いたい
「そうだなぁ?もしよければ何だけど今日泊めてくれない?」
「わ、私の家にですか?」
うわぁ〜めっちゃびっくりしてるよ
そうだよね急に会ったばかりの男に泊めてって言われたらそうなるよね
「もし良ければですよ無理にとは言いません
俺旅してるんですけど途中で持ち物全部無くしちゃった今日泊まる宿代も無くて、」
「いいですよ!」
「本当?本当に良いの?」
OKされてしまった予想と違う
「助けてもらったのでそれくらいは当たり前です!」
「本当にありがとう!」
今日の宿が見つかった女の子の家です
「私の家はこちらなので着いてきてください」
結構あっさりいったな
「そういえば名前言ってませんでしたね
私はシノ、シノ エルゼチカです」
「シノちゃんだね、じゃあ俺も名乗ろうか」
「バファリンさんじゃ無いんですか?」
「その名前はあの時咄嗟に決めた偽名なんだよ
本当の名前はハルタって言うんだ」
「ハルタ君かぁ、良い名前ですね」
「ありがとう」
そんな事を喋ってはうちにシノの家に着いた
「着きました、ここが私の家です」
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