ここはどこ?君は誰?
「そういえばこの噂、昨日私も食堂で聞いたよ」
「そうなのか?噂もそこまで蔓延っているのか。ボスが心配する理由も理解できる」
調査を進めるにしても、私たちのせいでまた噂が広まれば元も子もない。
「まぁ、私達から噂を広める訳にはいかないからな……、噂を話している奴がいたら聞くスタイルでやるしかないな」
「時間はかかるかもしれないがしょうがない」
食堂、ショッピングモール、大広間と色々な場所を二人でほっつき歩いてみたが、特に情報を得られることはなかった。
「ううむ、噂は広まっていると言えど、公の場で話すような者はいないのだろうか……」
「まあ……タイミングが良くなかったのかもしれない」
「少しお手洗いに行っても構わないか?」
「ああ、大丈夫だ」
それにしても、この噂はどこまで広まっているのだろう。少なくとも私の耳に入る程度というぐらいなのか、皆周知のことなのか……
壁にもたれて考えているうちにカミエスが帰ってきた。
壁から背を離して少し歩いたその時、背後から自分の肩に手が置かれる感覚。
加えて一瞬目の前が暗くなる。
「噂を聞いたな。話をしよう。明日の24時礼拝堂にて、人数は問わない」
「……!?」
反射で振り返ったがそこにはもう誰もいない。
声色は幼くて高い、女児の声……だが、少し深みもあるような…………
「おい。……おい!ルース!」
「……………………あ」
「何が……あ、だ!早く調査の続きだ!」
この反応を見たところ、私にしか聞こえなかったのは確実だろう。
「おい……お前、大丈夫か?」
「……え?」
「顔色も悪いし、少し休むか?それとも寝不足か?」
「……お気遣いありがとう、だが大丈夫だ」
「…………そうか。ああ、そういえばボスが科学センター長にも話をしておいてくれと言っていたな」
「ユズラに会いに行くのか……あまり私は行きたくないが」
「はあ?」
「そうか、カミエスは初対面か。これを機に思い知るといい」
「はあ????」
~…~…~…~… ・ …~…~…~…~
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