第22話 コロナったぁ……いや、罹ってた

 木曜日……


 熱と喉の痛みが主症状だから、耳鼻咽喉科行こう。


 そう思っていつもの総合病院の外来予定を見たら、木曜日は休診だった。


 比較的近めの開業さんも、木曜日は休診だった。


 仕方がないのでいつもの総合病院に電話をした。現在予約制の発熱外来が無いのは知っていたが、念のため受診可否と方法を確認した方が無駄足がないと思ったからだ。


「発熱と喉の痛みで内科を受診したいのですが、可能ですか?」

「大丈夫ですよ。必ずマスクをしてくださいね」


 隣で寝ている相方にお願いして、早起きしてもらい病院へ連れて行ってもらう。


「だから、昨日行けばよかったのに……」

「昨日は動ける自信も気力もなかった。今日なら自力で動ける」


 お湯かけご飯食べて薬を飲み、内科へ。


 問診票に「コロナとインフルエンザの検査希望する? しない?」とあったのを、「しない」と選択。


 その後看護師さんとお話した際に「念のためやっとこっか」と言われて検査。


 鼻グリで鼻血がでるサプライズ……


 一時間半ほど、待合室でぼんやりとしていた。


 火曜日に受け取ったスマホに、携帯会社の設定ファイルをダウンロードするのを忘れていたため、私のiPhoneXRは電話しかできない、ただの重い板だったのだ。


 ネットの情報に強制的に繋がれない、こんな日がたまにあってもいいかもしれない。


 掲示板に自分の番号より後の人が出て、番号でないな〜と思っていたら、フル装備の看護師さんに呼ばれた。



 後をついていくと、先程検体を取った風通しの良い外から、ぐるりとかつて発熱外来の待合だったプレハブに案内された。


 あ……あれ? この展開って……


 折りたたみ椅子の硬さに「尻が痛い……が喉と頭も痛い」とボヤき出した頃、若い女医さんがファイル片手にやってきた。


「はい。コロナ陽性ですね〜」

「あちゃ……(相方に)怒られる」


 先生から手渡された紙を見る。

 確かに+の印が……


 外出時にマスクしていても、罹る時は罹るんだね……


「お薬出しておきますね〜 発症日が20日だから、土曜日までは自宅療養してください」


 説明の紙と一緒に処方箋を渡された。

 診察はそれで終わり。


 プレハブを出ながら処方箋を見ると、カロナールが出ていた。あとはうがい薬とトローチ。

 カロナール、朝昼晩に200mg2錠を3回。許容内だけど大丈夫か?


 ちょうど発熱外来の看護師さんがいたので、返されたお薬手帳を見せながら、自分がすでに一日に2000mg近くアセトアミノフェンを飲んでいることを話すと、ちょうど同じ先生が、別の患者さんのファイルを持って現れた。


「大丈夫だけど、全部律儀に飲まなくても、痛みがひどい時とか、熱が高い時とか調節して飲んでね。あ、うがい薬も」


 なんだ、今までと変わんないじゃん。

 本当に風邪と一緒だ。対処療法しかないし。


「わかりました〜 ありがとうございます〜」


 なおその後、調剤薬局の薬剤師さんに「なんでこんなにカロナール」と問われた。


「あ……多発性嚢胞腎と肝嚢胞の痛みで……」

「それは、わかっています。そうではなくて、先生はこの量ご存知?」

「はい。確認しました。 痛い時に自分で調節して飲んでねとのことです」

「わかりました。確認が取れているなら大丈夫です」


 薬を受け取り、相方に電話をする。


「あの……コロナ陽性でした」


 なんか色々言われたけど、覚えてない。


 とりあえず、会社に行った。

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