第8話 胃カメラ
食欲不振が胃腸からなのか否かを調べる胃カメラ。
19歳の時に受けた初めての胃カメラはトラウマ級だった。
オェオェしながら涙と涎と苦い胃液でぐちゃぐちゃになって、ただただ苦しかった。
最近は眠ってる間に胃カメラとか、鼻から胃カメラとか聞くけど、眠ってる間にできるのがいいなぁ。苦しいのは辛い。
しかし、事前説明で医療事務のお姉さんは一言、「うちは、口からです」
大きな病院だから、流れ作業ですよねぇ、スヤスヤ寝かせておく時間ないですよね。大丈夫、わかってます。
午前中の検査だったので、朝ごはん抜きの状態で予約時間に内視鏡センターへ。
呼ばれて入った検査室のベッドに腰掛け、ほのかに甘くて冷たい液体をカップ1杯飲んでから、喉の奥に麻酔のスプレーをシュッと一噴き。
「唾が飲み込めなくなるので、垂れ流してくださいねー」
と言われたそばから、喉の感覚が無くなっていく。
初めての胃カメラの時は、ゼリー状の何かを喉に含んでから飲み込んだけど、今回は違うぞ?
ベッドに横になり先生登場。
マウスピースを咥えて、カメラ挿入!
喉の奥にくると、嘔吐反射でオェッとなったけど、痛みも苦しさも、かつて経験したほど辛くない。でも、喉の奥から腹の中で何かが蠢く不快感はなんとも言えないものがある。
胃から十二指腸に行くあたりで痛くて、曲げてた足を少し伸ばす。
ちょっぴり涙が浮かんで、ボヤけた視界の先には壁のコンセント。
早く終われーと思いながら、遠い目をして浅く呼吸してたら看護師さんに「上手ですよー」と褒められた。
看護師さんはずっと背中をさすってくれて、安心感が半端ない。
人の手の温もりが心地よい(´;ω;`)
看護師さんマジ天使。
三回程度の嘔吐反射で、想像していたより辛く無く検査終了。
上手い先生だったのかもしれない。これくらいの辛さなら、耐えられる!
検査結果は「食道、胃や腸に異常なし」
検査後に質問したいことがあったけど、喉の麻酔と胃カメラ疲れで口を開く気になれず、ちいさく「ありがとうございました」と言って退室した。
その日は一日中喉と胃に「蠢いてる感」があったのだけど、翌日にはそれらはすっかり消えていた。
器質的に問題がないなら、精神的なもので食欲不振かなぁ〜と思っていたい気持ちがあるけど、飲み食いすると痛み、動いた時にも痛むのはなんだろう。
これが解決すると良いのだけど……
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