第7話 CD-ROMの中身

 H病院でコピーしてもらったCT撮影データ。

 いくらか支払うのだろうと思っていたら無料だった。有難い。


 さて、封印もなにもされていないCD-ROM 。Tクリニックに行く前に中身は全部PCにコピー済み。さてさて何が映っていますかね。


 このCD-ROMは簡易データビュアーというHTMLがあり、それをクリックするとブラウザ上で画像を見ることができた。

 ただし、次の画像へはクリックが必要なので、少々面倒ではある。


 データは2022年4月と最新の23年11月のデータが収められていた。

 何がどうなっているのか、変化しているのか確認してみる。


 輪切り、縦スライス、横スライス。面白いなぁ。


 わかりやすい上からのスライス!

 便利な世の中だけど、自分のお腹、いっぱいの嚢胞とウンコとガスしか見えないよ。


 続いて輪切り!

 それにしてもお腹へっこんだね〜

 4月から20キロ減ったもんねぇ。

 うん? 肝臓の嚢胞ちょっと大きくなってない? あれ? 昨年4月はなかったのが今年11月にある……


 正常な人の内蔵がわからないので、GoogleでCTの正常解剖図の写真を探し出して見比べる。そして比較して知る新たな事実。


 え……肝臓でか……これは腎臓、へぇ~腎臓って左右で高さ違うんだ……の前に、大きさも形も全然違う! 右と左……バナナみたいなコレは脾臓、大動脈……あれ? 胃、どこ??


 4月はまだ「これかな」って言うのが見えた。11月はよくわからない。


 嚢胞の大きさ。

 昨年4月と今回のCTで、どれくらい変化があるのか比べたくなった。簡易ビュアーにはスケールはない。

そこでPhotoshopを使って、骨盤を基準に実寸に拡大し、レイヤーを重ね合わせてみようと思い立った。


 画像フォルダを探してデータをを漁っている時、Launcと書かれたフォルダを見つけた。それを開いてみると謎のアプリケーションファイルがある。


 もしかして……と思い、クリックして展開してみたところ、専門的な画像を見ることができるソフトが立ち上がった。

 病院の診察室でみた画像のように、ホイールで画面が送れ、一つの画面で輪切りも横切りも縦切りも好きなだけみれて、かつサイズも測れる。濃度もいじれる!


 これは……おもしろい!!


 いろんな角度を見比べた。

 グレースケールの大小様々な水玉。

 肝臓全体の嚢胞と、一番痛い心窩部にいる嚢胞ってコレか? 左上と右上に集中している。大きいものだと直径7㎝ぐらい。

 そんなのと小さい大小がとにかくいっぱい。


 肝嚢胞関係を色々調べたけど、単発の巨大嚢胞(10㎝超え)に関するものが多く、自分のケースに近い症例報告みたいなものが見つからない。それに重症な症例報告ばかりヒットする。自分に近いのないな。


 ともあれ、他に問題がないかを調べる胃カメラとMRI。

 余計な物がみつからなければいいなと思いながら、お腹や腰の痛みが辛い時は、この画像で痛みの原因っぽい嚢胞に「お前が犯人か?」と眺めながら過ごした。

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