★★★★☆ 映画:コーチ・カーター

ジャンル:青春、学園、ヒューマンドラマ、スポーツ

一言感想:コーチ・カーターについていきたくなる胸熱物語


■あらすじ

前任のコーチが年齢を理由に退任することとなり、次に選んだのは昔プレイヤーでもあったカーター。コーチ就任早々、生徒達に突き付けたのは厳しい行動規範。学業優先、遅刻には厳しい罰。反発する生徒、周囲、そんな中カーターの厳しい指導が始まる。


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ここからはネタバレ含む感想です。ご注意ください。

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■感想

最高に熱くなれる映画でした。リッチモンド!リッチモンド!


好きなシーンは色々あるんですが、序盤・中盤・終盤それぞれから1つずつチョイスして語っていきます。


●序盤の好きなシーン

試合に勝てるようになった選手たちが相手選手を罵る姿を見たカーターが、練習時に同じようなことを選手にし、自分たちがしたことを客観的に分からせた上で厳しく指導するところ。

選手が「でも相手だってしてきた」的な発言をした後、「だからなんだ」と突っ返し、熱く説いていくのはすごく良かったです。

最初「え?カーターさん壊れた?」と心配になりながら見てましたが杞憂でした。笑


●中盤の好きなシーン

体育館の封鎖が解除され、退任する決意をしたカーターが中に入ると、机と椅子に座り勉強をする選手たちがいたところ。

これはほんと胸が熱くなりました。最初は裁判的なシーンで選手たちが待ったをかけるのかなとも思ってたし、体育館の封鎖が解除されても選手たちはいなくて図書館で勉強してるのかなとか考えましたが、こっちのほうが良かったですね。

その時の選手とのやり取り、そして涙を浮かべるカーターさんにはこっちまで泣きそうになりました。

その前に、通りがかった車の男性から心無い言葉を浴び、珍しく激しい感情を露わにするカーターさんのシーンがあったんですが、ここも結構好きです。選手たちの、今ではなく将来を思っての行動をしているカーターさんが四面楚歌に合い、珍しく感情を露わにするんですけど、ここまでのカーターさんは結構強い男で、何物にも揺るがない強い意志を持っているんですが、ここにきて初めて弱さというか、人間らしさを見せるんですね。そこで感情移入しちゃいましたし、カーターさんの味方につきたくなっちゃいました。そのすぐ後に体育館で一人黄昏るカーターさんのシーンもあるんですが、そこも同様の理由で好きですね。


●終盤の好きなシーン

最終試合のタイムアウト時に選手たちへかけた言葉と、終了後にかけた言葉。(シーンではなくすみません)

やはりここは外せないでしょ。この映画を語るには必ずここがないとと思わせるような感動シーンでした。

最終試合、2回のタイムアウト時、カーターさんがかけた言葉。

1回目、各選手への熱いアドバイス。

2回目、奪い取らないといけないこともある、という厳しくも心理な言葉。

選手としても聞いてましたし、コーチ側としても言葉が響いてきました。カーターさんの人間性が出ていてすごく好きな言葉です。特に奪い取らないといけないこともある、という発言に、カーターさんがこれまで感じたことや、最終盤で気を引き締めないといけない選手たちが最高に引き締まる言葉を投げかけるセンスに脱帽です。

そして試合終了後に下を向く選手たちに対してかけた言葉も本当に良かった。一言一句同じではないですが

「勝敗表や新聞記事以上のものを君たちは得た」

「少年たちを教えてに来たのに、大人になった」

「コーチをする学校を選べるとしたら?」からのリッチモンドコール!

あそこで盛り上がらなかった人がいるとしたら、すこしもったいない気がしますね。映画にもっとのめり込みましょう!


また、個人的に気になったシーンの考察と、このシーン嫌い!というシーンもついでにまとめます。


●個人的に気になったシーン

1.子どもができたとい女子生徒とのあれこれ

2.チームを抜けて悪いことしてたアフロがチームに戻れたこと


この2シーン、バスケ映画からしたら少々話がそれているというか、微妙に感じる要素かもしれませんが、これは生徒達のリアルを描くことで、カーターさんがなぜこんなにも将来のことを考えて厳しく指導しているのかが分かるようにするためだと考えます。

1については、この世界の多くの人は大学に進学もせず、早くにこどもを作り、高校も中退して働き始め、ロクな給料ももらえていないという、まさしく今の事しか考えていない人たちについてを視聴者に伝えるための要素かと思います。

2については、勉強せずに中退した人たちの行き着く先を、これも視聴者に伝えるための要素かと。この1、2の状態を問題視したカーターさんだからこそ、あれだけ熱く生徒たちにぶつかっていったんじゃないかと思いますね。

それはかつての自分が出来ず、チームメイトたちのことが忘れられなかった、カーターさんの後悔があったのかもしれませんね。また、同じような結末になってほしくないからこそ、息子がリッチモンドに行くと言い始めたのにも抵抗があったのかもしれません。


大事な要素だとは思いますが、2が少々腑に落ちず…。

あのアフロくん、2回もチーム抜けて悪い奴とつるんでて、最終的にはその悪い奴が撃たれて殺されてチームに戻るわけですけど、ちょっとずるくないかなと。

見捨てるわけにはいかないとは思うんですが、あれだけ好き放題してチームに戻してもらえて、最後の試合にも出してもらえて大学も進学できるとか、少し待遇良すぎますよね。

僕個人的な意見としては、チーム抜けてプラプラして、ちょっかい出してたけど、結局チームに戻ることなく、最後の試合すげぇ頑張る元チームメイトを見て涙するとか、そんな感じにしてほしかったです。


あと、この映画で個人的にめちゃくちゃ嫌いな要素。

これは、映画が悪かった点ではなく、映画のストーリーの中で嫌いだったストーリーとか人についてです。

どんないい映画でも、ずーっとキラキラ輝くシーンばかりだと胸やけしちゃうと思うんです。

汚い部分とか見たくない部分があって、輝くシーンの輝きが増すんだと思います。そういう風に、良いところを際立たせるための嫌いなシーンについてです。


●個人的に嫌いなシーン

体育館封鎖後のジュニア母親登場部分。

あれなんなんですかね。手のひらくるくるくるーですよ。めちゃくちゃ腹立ちましたね。もうジュニアやめさせたら?と思うくらいムカムカしました。上手に描かれてますよね。自分の都合の良いときはコーチをたてるようなこと言ったりして、都合が悪くなったら攻撃、批判、暴言。醜い部分がつまってました。

こうしてみると、最初ジュニアがチームを去って、謝りに来た時の兄が殺された話は嘘なんじゃないかとも思えてきますね。電話で胸が凍り付くようなやわなはハートしてないだろってね。

でもこういう嫌な奴、壁があることで、カーターさんを応援したくもなるし、選手たちの選択を尊重したくもなるんだと思うと、なくてはならない要素かもしれませんね。


というわけで、とても素晴らしい作品でした!皆さんも是非観てみてください!

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