陰キャに花束を

ノテニ

No.I 僕の願い

「好きでぇす付き合ってください」

中1の夏、僕のトラウマ、まぁつまり罰ゲームだ。ノリでやらされた。

テストの点一番低かった奴、すきなひとに告白な。とか言うクソみたいなノリを、ぶっかけられたんだ。そして俺は一番点が高かったのに告白させられた。これもクソみたいなノリのせいだ。

俺に告白させた奴らはもうなんと言うか…そう、クソどもだ。クズの極み。言い過ぎかもしれないけど、こいつらはいつもクソみたいなノリを俺にぶっかけてくる。

こいつらの思っている「ノリ」と言うやつは、俺の思う「いじめ」だ。

こいつらはそれをなんとも思っちゃいない。こいつらがクソすぎて俺は語彙力を失いつつある。もうさっきからクソクソクソクソ言っている自分にももう呆れてきた。

こいつらはどこまで行っても_

もう疲れた。


天井を眺めるんだ。

そして想像する。

いつものことだ。

みんなはそんな俺を馬鹿にしやがる。そんな奴らにはいつか唾を吐いてやるんだ。いいだろう。

スマホなんかいらない。現実に起きないようなことを想像する、この時間があるからI日頑張れるんだよなー。

「何1人で喋ってんの?」

声がした。

誰だ?今家には俺しか…


振り返るとそこには天使がいた。

白い服を身につけ、背中には漆黒の翼が生えている。誰だって一目みりぁあ天使とわかる。

目がキラキラしている、何かに自信を持っている顔だ。こうゆう顔は好きじゃない。と言うか…苦手と言った方がいいか。

俺は何に対してもの自信を全く持ち合わせていないからな。自信がある奴が羨ましいのかもしれない。

とか思ってたら急に、

「私は闇に舞い降りし漆黒の天使マーキュリーだ!」と、天使は言った。

厨二病かよ、と思いつつも俺もこうゆうのは嫌いじゃない。

「何しにきたの?」

正直、天使が出てきたのは驚いたが、天使だろうが、悪魔だろうが、いきなり出てこられても困るもんだ。

当たり前のことだ。

「願いをひとつ聞いてあげる。」

天使が言った。

「聞くだけか?それじゃあごめんだよ。」

すると天使が焦った表情で、「あー聞くだけじゃなくて叶えてあげるっていうー、…はい!そういうことです!!!!!!」と、なぜかわからないが自慢げに言った。もうキャラ崩壊してやがる。

なんか、かわいいな。そう思った。

少し幼い顔、水色の髪、綺麗な唇、絶壁、

まぁ正直そんなこともどうでもいい。

疲れていたんだ、だから夢を見た。

そういうことだろ。 

「私たち天使はあなたたちを助けることにしました。」

天使が言った。ちょっと何言ってるかわからない。

天使がつづけた。

「この世は平等ではありません。この世では、悲しいことに人は人を見た目で判断します。人は中身とか言いますが、大抵の人は人を見た目で判断します。」

知ってる。そうなんだよな、結局人っていうのは。とか言いながら、自分も心の中では人を見た目で判断している。

「で?つまりどういうことだ?」

というと、天使が「つまり、見た目も良くなくコミュ力もなく、なんの取り柄もないあなたたちチー牛共は生まれ落ちたその時から確定してしまうんです。この世の敗北者になるということをね、」

と、なぜかわからないがにこにこの笑顔で言った。なんなんだこいつ?

「いや敗北者ってなんだよ、勝手に決めんな!あとチー牛っていうな、陰キャって言え。陽キャでもチー牛は食う。さっきからもうなんなんだよ、出てけ、」

キレた。なんで夢の中でまでこんなこと言われなきゃいけないんだよ。と思った。

見ると天使は涙目になっていた。その瞬間罪悪感が一気に込み上げてしまった。

「ごめん。言いすぎた。」

謝った。こんなん謝るしかない。なんなんだよこの夢は、意味わからん。

天使はちょっとだけ機嫌を良くして、

「私たちのボスはそんなあなた達をかわいそうに思い、陰キャ一人一人に天使を派遣し、願いをかけることにしたのです!」

と言った。

はぁー?と思った。なんて無駄なことを、まるで豚に真珠だ。


「さぁ、あなたの願いはなんですか?」

と天使が言った。さっきまでうるうるしていた瞳は、元のような自信に満ち溢れた瞳へと変化している。

はぁなんかめんどくさい夢だな。




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