第9話 ゆっくりな日 side she
・
翌朝、だと思う。
寝室の窓は全部遮光カーテンで塞いでるから、それを開けない限り部屋の中は真っ暗だ。
枕元に置いてあるデジタル時計を見れば9時半過ぎ。
結構寝たな・・・。
よっこらしょ、とベッドから起き上がりシャッとカーテンを開けると空は真っ青。
「おお・・いい天気」
久しぶりに沢山眠れて朝から元気に起きれた休み。
何しよう・・じゃないや。洗濯しなきゃ。
ランドリールームに置いてある洗濯機に溜まった汚れ物をぽいぽいっと入れ、最後に自分の着ていた物全部と洗剤を入れてスイッチを押す。
その間に、自分も2日ぶりのお風呂。
髪を洗ってる間に溜めたお湯にバスミルクを垂らしジャポンと入る。
「はぁー・・・」
親父くさかろうがなんだろうが、毎日疲労過多な身体にこの温かさは沁みる。
「髪も切りに行こうかなあ・・・」
最初はショートボブだった髪が、今では肩についてしまいそう。
前はやってたカラーはもうしていない。
何故なら暫く忙しくて美容室に行くのをサボってたら、当然だけど見事なプリンになったから。
えっと、じゃあ?とりあえず美容室の予約して洗濯物干して。
ああ、どっかでご飯食べなきゃ。
冷蔵庫に入れてるのはデザート系と飲み物が殆ど。
自炊する時間があるなら寝るか勉強したいから、卵のひとつも入ってない。
女子としてはどうかと思うけど、今のところ恋人もいないから別にいいかと開き直っている。
ご飯、どうしようかな
喫茶店のモーニング・・は、もう間に合わないな。
ランチでいいか。
暫く考えながらお湯に浸かって、若干くらくらしてきたところで流石に上がった。
洗濯機から取り出した洗濯物は籠いっぱいになって、うんざりしながらそれでも干し始める。
ぱんぱんっと弾みをつけて広げたバスタオルから香る柔軟材のやさしいシトラスの匂いが心の癒し。
ローズとか、フルーティーなんとかとか今はいろいろあるけど、私はこれが一番好きだ。
ベランダは無いから、使ってない1室を洗濯物干し場兼アイロンの部屋にしている。
空気清浄機を洗濯乾燥自動停止モードにして部屋を出た。
リビングに入ったところで、テーブルの上に夕べのお蕎麦セットのお盆がそのままになっているのを見つけてそういえばと思う。
これも返さなきゃ。
お盆と、これと一緒に井上さんから受け取った、皐月さんからの手紙。
今日の予定に、『綺麗なレターセットを買う』も追加した。
・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます