第6話
まるで何人もの人間がいるようだった。
あの後彼女は任意出頭の元警察署へ呼ばれたを
取り調べの時、彼女は、コロコロと顔を変えた。
「はじめまして、風天さん。今日はよろしくお願いします。」
「はい〜!!よろしくお願いします♩」
「...。今回、黄昏さんの同僚の方が亡くなりました。」
「へぇ!!そうなんですねぇ〜」
「これを見てください」
刑事は例のメモ用紙と小説を見せた
彼女は毅然として貼り付けたような気味の悪い笑顔を絶やさなかった。
「わぁ!すごい偶然ですねぇ」
「「しらばっくれるな!!!!!」」
刑事の怒りが爆発した。
無理もない、彼女の態度は挑発してるかのようだ。我々を怒らせて楽しんでいるのか?
「落ち着いてください。これが偶然である可能性もあるでしょう?それにこのメモ。私が書いた証拠ないでしょ?」
「それは、、、」
「悲しい、、、私、、何もしてないのに、、酷い」
泣き始める彼女。
「とういうか、これ、免罪の可能性ありますよね?私を逮捕する証拠もなしに?は、警察ってのは随分、適当ですねぇ!!」
怒り、
「あ、天海先生に迷惑はかけたくない!いやだ!!いやだいやだ!!天海せんせぇ!?いるの?いるなら聞いて、私あなたのためにがんばるからぁ!!だからぁ、私を見てえぇ!」
怯え
異様な空気だった。
彼女は気が狂ってる。そして、今回の事件も彼女がしたに違いない。
しかし、私の家の防犯カメラにも彼女は映っていなかった。手紙の指紋も彼女に一致しなかった。その小説も偶然と言ってしまえばそうなる。確固たる証拠がない。
ゲラゲラとわらったり、泣いたりする彼女を見ていた。
「、、分かりました。では、天海を呼んでください」
「それはできません。」
彼女の動きがピタッと止まった。
そして、真顔でそう答えた。
「なぜ?」
「あの人は今大事な時なの。今度、また新作をだすのです。その作品は今までのどの小説よりリアルで掴めなくて、奇っ怪で、読むもの皆を虜にする、そんな話を書いているのです。私は彼のためなら何でもする。だからあなた達も邪魔するなら、、」
彼女の顔。
彼女の顔。
なんというのだろう、こんなおぞましい表情を私は見た事がない。
「猟奇的な話も面白いですよね!!」
闇のように深い目。
口が裂けんばかりに笑う口。
化け物だ。
結局彼女から証拠が得られなかった。
録音したはずの機材が壊れてて言質はとれなかった。
刑事さん達は私に頭を下げた。
申し訳ないと。
上から圧力がかかったのか、今回の事件は、
事故として、自殺として処理されたと聞いた。
この真相を暴くのは、暴けるのは私がいないようだ。
天才小説家 木野拿 咏鳴 @kinoda2232
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