第5話

翌日。


「ほう。」


”2ページ 3行目”


メモを刑事はまじまじと見る。

そして事の経緯をはなす。

天才小説家、天海。

そのマネージャーを名乗る風天と言う女。

そして、未解決事件。遺体。

今回の小説の事。


さらに刑事は眉をひそめた。

「いやぁ、なるほど。今話題の小説家様が怪しいと?」

「はい。」

「いや疑ってるわけではないですよ。ただこれがあなたの自作自演では無いという証拠はありますか?」

やはり、か。

そう言われると思った。

確かに、まるでこれでは自分が犯人と言ってるようなもんだ。

そして、自作自演では無いという証拠はない。

、、、、、。

これも想定済みだとしたら?

私に罪をなすり付けようとしている?

そして、どう反応するかみている?


ハッとした。

ばっと小説をとり、乱雑にページをめくった。

「?どうしました?」


「、、、ここ。」


11ページ5行目

『例の事件。私が疑われている。無理もない。同僚の私が疑われるのは。しかし、私は真実を追い求める』


「、、全く一緒だな。」

刑事が青ざめた表情を見せた。

「信じていただけましたか?」

「ああ、事情聴取は取れそうだ」

刑事はポケットから無線を取りだした。

「俺だ。黒の可能性あり。調査するどうぞ」

《了解。よろしく頼む》

容疑者から外れたようだ。少しほっとしたが。

「まだ、あなたが犯人じゃないという証拠はないですからね。ただ、その天海にあえないのであれば、マネージャーから話をきく。連絡取れるか?」

「はい。しかし、彼女がこれで逃げたら犯人確定ですよ。」

緊張が高まる。

プルルルルル、

「もしもし!!」

やけに甲高い声だった。

「話をしたい。刑事もいる。いいか?」

「ああ!分かりました!!いいですよ!!」

上機嫌とも言わんばかりに答えた。

どこか不気味だった。

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