第4話
じりりりり
朝だ。昨日のは夢だったのだろうか、と思ったが期待外れ。メモが消えていなかった。
俺は、何かとんでもない事件に足を踏み込んだのではないかと。
胸がザワザワとする。
仕事場に行くとなにやらざわついていた。
「どうした?」
「いや、実は、、」
「あなたの同僚がここで亡くなられていたそうで、、」
「は?」
「いつ、、」
「え?」
「いつだ!!!いつ死んだんだ!!」
「いや、わからないです!!警察今呼んだので、、」
頭がくらくらした。
その場にへたり込む。
そんなことあるのか?いつだ?電話した時は生きてたはず、、
なぜ?なぜだ?
「っ、、」
「落ち着きましょう!!あなた、大丈夫ですか?!」
「え?」
「悲しくて気が動転してるのですよね、、泣きながら笑うなんて、、」
ふと近くに反射した自分の顔を見た。
泣きながら、笑っていた。
この感情はなんと呼べばいいのか。
怒り?悲しみ?憎しみ?
わからない。
ただ一つ言えるのが、私は深い闇の底に足を突っ込んでしまったようだ。
それに対する答えのない感情なのか、と。
何を言っているのかわからない。
目の前がぐらぐらする。
私はその場に倒れ込んだ。
「、、、し、、しっかりしてください!!」
明るい光で目が覚めた。
ここは病室だろうか?
どうやらあの後運ばれたのか。
「意識ありますか?名前言えますか?」
「た、たそがれ、です。」
「たそがれ?変わった名前ですねぇ」
「、、、よくいわれ、ます。」
「私、こういうものです。」
ガタイのいい、中年くらいだろうか。
そして服から察した。刑事だろう。
「実はですね、彼について話を聞きたくてですね。あ、無理しない程度でいいですよ。彼は自殺したんですよ。首を吊って。死亡推定時刻は、19時ごろ。」
は?
「、、、、そんなわけ、、ないですよ?俺は20時に電話したんですよ?じゃあなんですか?俺はしたいと話したというのか!?」
「まぁまぁ!!落ち着いてください、と言っても落ち着けるわけないですよね。貴方の同僚が亡くなってるんだから。そう、そこが問題。貴方の連絡、彼とってるんですよ。」
「彼のポケットに携帯が入ってまして、履歴を見たら貴方と連絡したことが残ってました。」
「つまり。考えられるのは、何者かが、彼を殺害してから貴方の連絡にでて、その後に自殺に偽装した。その線が怪しいかと。」
頭が回らない。こんなこと、現実でありえるのか?
まるでサスペンスドラマのトリックのようだ。
こんなこと、、、
「私も、そうだと思います。そして、あいつに彼女がいることを知っていた。それを知ってるのは俺しか、いない。」
刑事が眉を顰めた。
それはそうだ、自分が犯人と言ってるようなもんだから。
「ただ刑事さん。一人そのことを知り得る可能性がある人物が一人いる。」
「明日私の家に来てください。それをお見せします。」
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