第3話
「また出したらしいじゃないすか。天海先生。」
あれから数ヶ月、また新たな新作がでた。
しかし遺体は上がらなかった。
「やっぱり偶然だったのかな。」
「いや、むしろ。妙だろ。」
行方不明者がぴたりと止まった。
あのマネージャー。風天と話した後だ。
「ああ、そうですね。気味が悪い。てか、それならなんらかの関係あるでしょ?そのマネージャーも、天海も。」
「さあな、俺たちは警察じゃないから。」
帰りに本屋による。
さて、俺も新作読んでみるか。
最新作
「真実」
ー真実を追い求める彼が最後に見たものはなにかー
というキャッチコピー。まるで俺みたいだな。
家に帰る。
ガチャっ。
、、おかしい。出た時鍵は閉めたはずだ。
慌てて家に入ると、テーブルにメモ用紙が見えた。
2ページ3行目
「どういうことだ?」
小説のページ数と行数ということか?
ペラペラとめくる。
『彼が最初に目にした事件は、あまりに恐ろしかった。昨日まであんなにも明るかった同僚が、亡くなるなんて。』
は?
嫌な胸騒ぎがした。
俺は急いで同僚に電話をかけた。
「でない、、」
(おかけになった電話番号は現在出られることができませんでした。ピーという発信音の後に‥)
「うそだろ。」
俺はバクバクとなる心臓を抑えるようにして職場に戻った。確かあいつは今日いつもサボってた仕事が溜まって残業してるはずだ。
反乱教になりながら、事務所に入る。
部屋は暗く人の気配はなかった。
(あいつ、仕事サボって帰ったな?)
電気をつける。誰もいなかった。
どこかホッとした。
と同時に携帯が鳴る
「なんすか何件も!」
「お前!!!!大丈夫か!?」
「は?大丈夫ってなにがすか?」
「今どこにいんだよ!!」
「家っすよ!あ、ごめん。仕事残して帰ったわ。実は今日彼女遊びにくることなってさ」
はーーとため息をついた。
「何事もないならいんだよ。また明日な。」
「なんかよくわからんけど、まーいいや。また明日な。」
俺はその場でへたり込んだ。
これは安堵なのか、それとも得体の知れない恐怖に身払いしてるのか。
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