第2話

「はじめまして、、、たそがれ?さん」

「はじめまして。ああ、名前読みにくいですよね。そうです。黄昏です。」

俺の名前は黄昏という。

珍しい名前なもんで最初は誰しも戸惑った。

天海のマネージャーと名乗るこの人は、風天というらしい。

「貴方も変わった名前ですね?なんと呼べば?」

「ふうてん、でいいです。」

髪は伸ばしっぱなしなのかボサボサで、食事をとっていないのか枝のように細い手足。

本当にマネージャーなのか?

少し探りを入れてみるか。

「天海とはどのような出会いで?」

「、、、小説からです。彼に魅了されたのは。そこから、猛烈にお願いしました!!貴方様の力になりたいと!!」

この女。ますます怪しいな。

こんなただのファンのような、小説の題材にもならなそうな女性を、彼はマネージャーに置くだろうか?彼はきっとこだわるはずだ。彼の中心は小説だ。いや、彼と言わず小説家とは文を書かなければ死んでしまう生き物とよく言う。が、それだけでなく小説に出来そうな素材もないとアイデアが浮かばない。だからこそ近くに置く人間はこだわるはずだ。

「そうですね。私、平凡にみえるでしょう?」

ドキッとした。心を読まれたかと思った。

「なぜ、わかったのですか?」

「私こう見えて心理学者なんです。人って仕草や目線。そう言うのから心が見れるのですよ」

ニッコリと微笑む。


「そして、貴方は天海先生を疑っている。それは何故か?彼の新作が出る度、遺体が上がるのでしょう?」

「どこでそれを!?」

「あなたの事は調べさせていただきました。黄昏さん。そして貴方が今追っている記事も」



私は心臓が早まった。


「嬉しそうですね。私知ってますよ。ジャーナリストも小説家も真相を追い求めるハンターなんです。小説家は誰もが予測つかない最後を、貴方は誰もが追いつけない真相を暴く事。そして貴方は天海先生と同じ匂いがする。」

「そうですね。私が用意しなくともいつか天海先生に会えますよ。むしろもうどこかで会ってるかも。またね、黄昏さん」

意味深な言葉を残し天海はコーヒ代を置いて風のように去っていった。

それはどういう意味なのかよく分からなかった。その時は。

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