一三章 殴られてもいいから……!
そのニュースにたちまち学校中が沸き立った。
なにしろ、
下位カーストの生徒たちは『ざまあみろっ!』とばかりに
これが、下位カースト組のしたことならこうはいかない。
『下位カーストのくせして上位カーストに手を出すなんて生意気な!』
と、徹底的に目の仇にされ、イジめの標的にされる。
しかし、
言わば、『孤高の存在』として上位カーストの間でもある意味、
そういう雰囲気だったのだ。
特に、女子の間では急激に話題になった、
「ねえねえ。聞いた、
「うん。
「おとなしそうな顔して意外とやるわねえ。なんか、興味でてきちゃった」
なにしろ、
もちろん、当事者たちとしてはそんなお気楽なことは言ってはいられない。特に、当事者のなかの当事者とも言うべき
翌日の土曜日、
そこで、幼い頃から
そんなわけで
その点は
「ごめんなさい、ごめんなさい、ほんっと~にごめんなさい! あたしのせいでこんなことになって……」
泣きながらいまにも土下座しそうな勢いで体ごと頭をさげる。その顔はすでに涙でくしゃくしゃになっている。その姿に
ふたりとも顔には大きな痣をつけたまま。
歯医者で治療して痛みどめももらったから、痛みを感じているわけではない。しかし、腫れがまだ引いていないのだ。
ふたりは慌てふためいて
「お、お前が謝ることないって……!」
と、
「そうだ」
「おれたちは、遊びで
その言葉に――。
「……それなら、あたしたちだって同罪だけど」
「……だよねえ」
うなずき合うふたりに
「女を殴らせるわけにはいかないだろ。お前たちの分はおれたちで引き受ける」
きっぱりと――。
そう言いきる
「で、でも……あたしが嘘告なんてしなければ、こんなことにはならずにすんだんだし」
「だから、何度も言ってるだろ。あれは、おれたちが無理やりやらせたんだ。悪いのはおれたちだって」
と、
その
「しかしなあ……」
と、溜め息交じりに口にした。
「
すると、
「おれは身長一八八あるんだぞ。
くやしがると言うより、半ばあきれている。
「……
――そりゃ勝てんわ。
と、納得する一同だった。
「そんなことより、
「どうするって……」
「
「だ、だって……。嘘告したことがバレてるなんて。もう、会わせる顔ないよ」
「だから! それでいいのかって言ってるんだよ。好きなんだろ、
うなずくしかなかった。
「……うん。好き。これからも一緒にいたい!」
「だったら! 真正面からそう言ってこいよ。でないと一生、後悔するぞ」
「そうだよ、
「ちゃんと、あやまって、事情を説明して、本当に好きになったんだってこと伝えて! そうすればきっと、やり直せるよ」
「あたしたちも一緒に謝るからさ。わかってもらえるまで何度でも挑戦しよう!」
あきらが力いっぱい宣言した。
「
小学校時代からの連れたちに口々にそう言われ――。
「……わかった」
泣きはらした目でそう言った。
「あたし、
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