第30話 私が読みたいと思う作品の特徴

 今回、私は「自分が読みたいと思う作品を書く」と決めています。ちょっとだけ忖度もして「読んでもらえる作品」の条件も入れられる分は入れようと決めました。


 それが人気の要素を入れる、というヤツで「悪役令嬢」を「ラノベ」で書く、というヤツでした。ラノベというのは、私はもう何度もチャレンジしては敗北しているジャンルで、それを克服したいという狙いもありました。


 あとは、とにかく自分が読みたいと思える作品にする、という点だけを条件にしました。設定と要素だけはラノベで、文章はライト文芸にすることにしました。一般文芸とか文学だとクドいかなと思って。(文学の文体は一点集中的な深掘りをするのに向いていて、だけどラノベやWeb小説は一点集中的な造りではないから)


 何が違ってくるのかと言えば、描写の密度です。心理にせよ状況にせよ、

文学>一般文芸>ライト文芸>ラノベ>Web小説、という感じで薄味になると感じるんですよね。


 この濃度は、深掘りとか一点集中とかに関係があって、バランスを左右するというか、必要のないトコで濃厚な描写をすることになってしまったり、という失敗に繋がるというか…… そういう作用があるんで、計算して決めておく「作中設定」のひとつだったりするんで。




 で、私自身はなんでも読むんですけど、そこに細かく条件があるなと思っていて。

 (この条件というのが、文体と小説内容の関係性という部分に絡んでます)


1.展開がダレると読みたくなくなる

2.どうでもいいシーンが出ると読みたくなくなる

3.心情描写がクドいと読みたくなくなる

4.風景描写が風景描写だと読みたくなくなる

5.説明調子が長いと読みたくなくなる

6.題材が活かされてないと読みたくなくなる

7.よくあるシーンばかりだと読みたくなくなる

8.キャラの行動に矛盾があると読みたくなくなる

9.設定に大きな破綻や矛盾があると読みたくなくなる

10.序盤に一人も興味を引くキャラが出ないと読むの止める


 まぁ、ざっと数えてこのくらいは条件があるんですよね。Uターンの。


 本当に読者としての私はワガママなので、自分の過去作すら読めるのは一握りです。だいたい完結まで持ち込めた作品だけは、読めるシーンが幾つかは入っていて、それを目当てに読むことなら出来ます。(笑


 ぐいぐいと引き込まれる作品でないと嫌なんですよね……。


 あるいは、推せるキャラが出来るか。


 このキャラが今後どうなるのか知りたい、という思いは読む原動力としてとても強いです。だけど、それがいわゆる玄関マット的な屈辱イベントの連続だったりすると、これはキャラよりイベントそのものへの興味が強くなってしまって、途中を読む必要をあまり感じないんで(キャラに興味がない状態なので)、ぜんぶすっ飛ばしてラストを読みがちです。これ、主役が悪役に喰われてんですよね…。


 自分でもそういう読み方をすると損した気分になります。ザマァが成立したらそれで満足しちゃって、別に途中で戻って読もうとも思わないからです。(悪い奴らがどんな制裁を受けるかだけが、興味の大半を占めてしまっているからです)


 キャラに入れ込めるかどうか、キャラへ向かうべき興味が、ドアマットヒロインの過剰な踏まれ具合に阻害されたカタチです。

(虐めっ子が制裁されるかどうかが興味対象になって、虐められっ子自身にまで目が向かないってことです)


 この状況は「主役が脇役に喰われた状態」であって、主役そっちのけになってるんですよね。だからメインであるはずの主役の描写が「展開の間延び」に感じるんです。



 これ、作品を書く「最注意事項」を箇条書きで示してます。これは、私が作品を書く際に「肝に銘じておく注意点」です。これらの事柄を胸に刻んで書かないと、また途中で投げ出す作品になると思います。一貫性を支えるアンチョコです。(笑



 で、今回はそういうトコをクリアすることを目標に書くことにして、読者への忖度は設定だけ、という姿勢で挑んでいます。自分が読み返した時、ニヤニヤできる作品にする、と決めてます。


 どんな要素が好きで、どの程度の濃度がちょうどいいと感じるかは人それぞれですから、そこの基準を自分に置こうと決めたということです。


 心情描写がクドいと読みたくなくなる、と書きましたが、それは興味もないキャラの心理がクドクドと書かれていると「ウザ、」となるというだけの話です。興味のあるキャラだと前のめりで読んでます。(笑


 キャラに興味を抱く前に派手な要素が目を引いてしまえば、私は素直に、気になるその要素の結果だけを追うだろう、ということです。


 逆に、キャラに興味を抱いて読むというパターンの時、私は多情なので主人公や推しの影が多少薄くなったって気にしません。興味が出たキャラ全員を気に掛けながら読みます。そういう作品が私が読みたい作品の条件です。まずキャラが前面に押し出されていること。


 なので、ストーリー展開で言えば従者のイケメンは七人も必要ないんですけど、メンバーが七人なので外せないよね、ということになってます。七人出すために役割を振り、イベントを追加し、脇道に逸れ……


 でも読んでて楽しいから本望ですっ。



 この調子で今年もがんばりたいと思います。

 (読み返してニヨニヨするために書く!)




追記:

 惚れた腫れたの心理描写は実はあんまり好きじゃないです。ウザいです。

 あれは自慢話と同じなので、しつこいとウザく感じます。

 

 これも対象キャラに好意を抱けていないから同調できない状態であって、好意を持って追っているキャラの惚れた腫れたは、ニヤニヤしながら楽しく読めますよ?


 興味もないキャラの惚れた腫れたは興味がないからウザいだけ、ということです。

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