第25話 真打ちは後から登場するを復活させた「悪役令嬢」
Web小説だと顕著な気がするんですけど、最初に登場する若い異性は主人公のお相手である、みたいな不文律というかお約束みたいなトコないですか?
でも、これってかなり制約が掛かっちゃってツラいんですよね。男性向けなんかは、とにかく早くヒロインを出せとか言われがちだし。真打ちは後から登場するっていうヤツの効果とかが狙えなくて、割とパターンがマンネリ化してません?
そう思ってた時に、「悪役令嬢」ってのを読んだんで(漫画でしたが)、すごいアイデアだなと素直に感心したんですよね。
本命の登場ってそれだけで興味を引くわけじゃないですか。どうせなら話が中ダルみになった頃合いで、引き締め効果も兼ねてで出したいトコあるんですよな。
それを最初から出せとかって、そんなん本命の謎とダブって下手すりゃ相殺しちゃったりもするわけで、勿体ない出し方だと思ってたんです。前々から実は苦々しく感じていた風潮だったりしたワケなんです。実は。(水戸黄門だってお銀は黄門様を尊敬はしてても恋愛じゃないじゃないですか、展開を狭めるんですよねあのお約束は)
RPGのゲームだって最初は道案内のNPCが出てくるのがセオリーで、それをWeb小説だけは道案内もヒロインにやらせろ、てどんだけ余裕が無いんや、とか思ってたりしたんですよね。まず状況を解説させてくれや、恋愛はそれからでもええやろ、と。
これもね、発明者はスゴいんですよ? 最初の発明者は。
最初の一発目でね、道案内のNPCがデフォだったトコへ、ヒロインにそれを兼ねさせるっていうアイデアを出した作品は、そりゃあ斬新なアイデアだったわけなんですけど、それは色々を集約させて時短になったりして、効果も凄いんですけどね。
でもそれが後々に、道案内の若い男女はお相手でないと!とか、最初にヒロインを登場させないと!みたいになっちゃったら、制限が厳しくて、やりにくいったらないんですよね……。それだけ構成バリエーションが減るわけだから。
ところがそこに、「悪役令嬢」が出てきたでしょ?
これ、最初に登場する異性は王子様とかで、だけど婚約破棄イベントの敵役なんですよね。でも紆余曲折あって元サヤとかもバリエーションとしてアリで、基本的には「真打ちは後から登場」ってヤツを復活させたわけで、ある程度他の要素のイベントをクリアしてから、新展開とかでの盛り上げ要素として、本命の隣国王子とかが出てくる、ていうパターンが再び使えるようにさせたんですよね。最初に登場しないといけない、の制約を打破したのはすごい功績だと思います。
ものすごく物語の構成パターンが増えますよ。これを使うと。
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