第24話 作者が楽しく書いてるシーンはだいたい面白くない
執筆に関するアルアルというか法則ってヤツの中に、「作者が楽しんで書いてる時ほど、読んだ読者には面白みのないシーン」ってことがありますよね。
今書いてるトコが、たぶんコレに陥ってんだろうなぁ~、なんて思いながらそれでも楽しいからそのまま書き続けちゃってます。お気に入りのキャラたちがワチャワチャやってるシーンって書いてて楽しいですよね?
もうこういう時は開き直って、第一稿はそのまんま書き切っちゃいます。ディレクターズカットで第二稿からチョン切ってしまえばいいだけなんで。(そして第一稿のワチャワチャは作者が個人的に読み返してはニヨニヨするに留めます)
それにつけても、なんだかダレてきたなぁ、という感想。第一章から三章あたりまでは割とサクサクお話も進んで、イイ感じのスピード感があったんですが、五章くらいから仲間が増えたことでダレ始めました。(四章で三人、五章で一気に七人に増えました。人数でダレがモデルかはお察しというコトで)
とは言っても現状はただの絵コンテですんで、描写を盛ったり削ったりでボリュームなんぞは幾らでもコントロール出来たりはするんですが。
うん、やっぱり一章から三章がザクザクに書いてるせいでスピード展開に見えてるだけですわ、楽しいもんだから五章あたりから急に描写が増えてました。
イケてる男たちに混じって皆でワチャワチャしてるってシーンが、楽しくない女はいないでしょう!(笑
そう、今さら一人の男とガッツリ恋愛モノなんてゲロ吐きそうで書けるわけない、と悩んだ結果がこの「逆ハーレム」ジャンルですよ。選り取り見取り、これから誰を選んでいくかは貴女次第、みたいな展開なら余裕で「恋愛」カテゴリーに突っ込めますもんね!(ね? 大丈夫ですよね? カテエラじゃないですよね?)
ただ、記事タイトルにもあるように、作者は楽しくても読者が楽しめるかは別問題という話ですよ。「恋愛」ジャンルにあるんだったらソレ目的で読んで貰えるってのは思いがちな罠で、カテゴリが機能してないって状態なんで読者は「待て」が出来ないわけですよな。
カテゴリが「恋愛」だったら、先に他のテーマをやってたとしても後から恋愛要素が絡んでくるのは解りきった話なはずなんですが、カテゴリは機能してないんで、読者は最初が他のテーマだと「騙された」となるんですってよ。
要素として、「成長」「成り上がり」「ザマァ」「大団円」「逆ハー」と盛りだくさんなのはウリとして自信アリなんですが、セットと見做さずそれぞれをバラバラに、どれか一つを期待して来られたお客様にはブラバされちゃう危険性があるかな、という危惧。これを避けるには「全部盛りだ、」とアラスジやキャッチコピーに明記する必要があって、これをどう書けばいいのかが…(私、キャッチ文面の才能ゼロですんで。ついでに整理整頓の才能もゼロ)
後は、男性向けハーレムの概念と、女性向けハーレムの概念的違いがね、ひっそりと、危険かもなぁなんてことは考えてしまったりします。
男性向けは正直、ハーレム構成員の心理的リアリティはあんまり興味ないじゃないですか。(笑
だけど女性向けは、そっちこそ本題って感じでここが疎かになると読まれないじゃないですかぁ。ヒロインよりお相手男性の心理のが実感籠もってる方がウケがよろしいような気がするんですよね。
ハーレム構成員同士がバチバチだったりするの、女性向けだと当然の要素でヒロインを巡って男どもがバチバチだけど、男性向けだと男主人公巡ってヒロインたちがバチバチってのは読者に敬遠される要素な気がします……。男性読者はヒロインたちが火花散らしてバチバチっての、あんまり好きじゃないですよねぇ?(苦笑
でも女性向けだとこれ、割と好まれてますよね。喧嘩を止めて~♪なんて歌が流行るくらいには。ガチの血みどろ殴り合いでも場合によってはOKっていう。(笑
あんまりハーレムモノ自体読まないんで、聞いた話だけなんですけどね。
(漫画は流れてくるヤツをけっこう読んでたりしますが…)
でもねぇ、男性向けハーレムの何が気に食わないかってアンケート(?)の回答で一番多いのって、構成要員のヒロインたちがバチバチの足の引っ張り合い、傷付けあいとか、主人公に選択を迫るとかのリアリティに欠けてる点だ、とかはよく聞きますよね。女性像がね、そういう部分の我慢を強いているとしか映らないからだと思いますけどもね。だからキライだと公言する女性読者はだいたい言うこと一緒ですよね。
ただこれ、女性向け女性読者でもそういうバチバチが嫌いな読者って割と多いというか、バチバチも好きだけどバチバチ無しも読みたいって要望も多いって部分はあると思うんですよ~。ただ仲良くワチャワチャしてるのを見てたいっていう…
私も今はそういうのが読みたい気分なんでバチバチは無しの方向です。(笑
アレですかね、「深みに嵌まれば独占したくなるのが人情」ってヤツ。
(だから深みは避ける方向で!)
取捨選択の問題なんですかね、これ。「リアリティ」を取るか、「深みに嵌まりたい」を取るか、「ハーレム」を取るか。多く、男性向けは「リアリティ」を捨てる。
女性読者はもしかしたら、男性読者より、リアリティが没入感に影響しやすいのかもですねぇ。
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